【釜山・平山成美】韓国・釜山市の金海国際空港で28日午後10時15分(日本時間同)ごろ、出発準備中だった釜山発香港行きの格安航空会社(LCC)エアプサン391便エアバスA321の機体後方から火災が発生した。韓国国土交通省によると、乗客乗員176人全員が緊急脱出し、少なくとも3人が打撲などの軽傷を負った。在韓国日本大使館によると、日本人が乗っていたとの情報はない。
韓国は旧正月の連休中で旅客機の利用が多い時期。同省の発表では、火災は同日午後11時半ごろに鎮火し、機体は半焼状態で両翼やエンジンの損傷はなかった。聯合ニュースは「手荷物を入れる機内の棚から音がして煙が出た。モバイルバッテリーか電子機器からの発火ではないか」という乗客の話を報じた。同省は調査官を現地に派遣し、事故原因を調べている。
韓国では、昨年12月29日に南西部の務安(ムアン)国際空港で乗客乗員179人が死亡するLCCチェジュ航空機事故が起きたばかり。火災から一夜明けた今月29日、金海国際空港の利用者からは不安の声が聞かれた。
エアプサン機で福岡から到着した北九州市の女性会社役員(27)は「チェジュ航空の事故もあったばかりで国際線に対する不安が大きくなった」と心配顔。旧正月で釜山に帰省した京都府の会社員ノ・ジンヒさん(30)は「飛行機は乗ってしまったらどうしようもない。飛び立つまでの安全確認や異変が起きた際の対応などを改めて徹底してほしい」と航空会社に安全対策を求めた。