那覇市の首里城で主要施設の正殿などが焼失した火災で、首里城で保管していた文化財1570点のうち、417点が焼失した可能性が高いことが分かった。首里城の管理・運営を県から委託されている「沖縄美(ちゅ)ら島財団」の花城良広理事長が1日、明らかにした。
火災発生後初めて記者会見した花城氏は、「ご心配とご迷惑をかけておりますことに対して深くおわび申し上げます」と頭を下げた。
全焼した南殿の収蔵庫に保管・展示されていた県指定有形文化財の「白澤之図」などは防火扉の内側にあり、焼失していない可能性がある。ただ、防火扉の鍵が変形し、なお高温を保っているため、確認はできないという。
一方、火元とみられる正殿周辺には放水銃と、建物の周囲で水を噴出させ延焼を防ぐ「ドレンチャー」が設置されていた。ドレンチャーは正常に作動したが、手動の放水銃は火災に伴う熱気のため、消火に当たった警備員が近づけなかったという。