札幌圏では、イオン、コープ、ロピアなど、大手スーパーによる競争が激化しています。長引く物価高騰の影響を受け、各社は生き残りをかけて様々な戦略を展開しています。今回は、地域密着型スーパー「アークス」と大手スーパー「イオン北海道」の取り組みを中心に、札幌のスーパー業界の現状を解説します。
地域密着型スーパー「アークス」の挑戦:納得価格で勝負
アークスグループの中核スーパー「ラルズ」では、青果バイヤーの佐藤大知さん(47)がキャベツの価格設定に頭を悩ませていました。昨年夏の猛暑による不作でキャベツの価格が高騰。佐藤さんは札幌市内のスーパーを巡り、価格調査を実施。1玉398円~780円と価格に大きなばらつきがあることを確認しました。
ラルズでキャベツを選ぶ佐藤さん
アークスは、生産者と消費者の双方にとって納得できる価格を目指し、価格に見合う高品質な商品を提供するという戦略を掲げています。バイヤーは市場での情報収集や契約農家との連携を強化。道の駅などでの直販価格も参考に、より鮮度の高い商品を低価格で提供することに尽力しています。
カット野菜で家計を応援!アークスの工夫
キャベツの高騰を受け、アークスは価格変動の少ないカット野菜の品揃えを強化。キャベツ、レタス、パプリカなどが入ったカット野菜を1パック200~300円で提供しています。佐藤さんは「物価高の中でも、消費者のニーズに応える商品を提供することで、ラルズを選んでいただきたい」と話しています。
読売新聞によるキャベツの価格高騰に関する写真
大手スーパー「イオン北海道」の戦略:ファミリー層をターゲットに
イオン北海道は、ファミリー層をターゲットとしたサービス展開を強化しています。昨年11月には「イオンモール札幌苗穂」をリニューアル。AR技術を活用した体験型エリアや道産木材を使ったキッズスペースなどを新設しました。
毎日を支えるイオン:元日営業で顧客ニーズに応える
小売業界では元日休業の傾向が強まる中、イオンはほぼ全店で元日営業を実施。食品から日用品まで幅広く取り揃え、「毎日に寄り添う」姿勢をアピールしています。「イオンモール札幌発寒」では、元日の開店前から1000人以上の行列ができました。毎年恒例の福袋や豊富な品揃えが人気の理由のようです。
札幌のスーパー戦争、今後の行方は?
物価高騰が続く中、札幌のスーパー業界は生き残りをかけて熾烈な競争を繰り広げています。地域密着型のスーパーと大手スーパー、それぞれの戦略が消費者にどのような影響を与えるのか、今後の動向に注目が集まります。