晩婚化が進み、45歳以上で初めて父親になる男性が増加しています。経済的な不安や体力的な負担など、様々な課題が想像されますが、当事者たちはどのように子育てと向き合っているのでしょうか? 今回、9歳の娘さんを育てる64歳の朝倉健一さん(仮名)に、還暦過ぎからのパパライフについてお話を伺いました。
介護を経て、フレックス勤務で育児に専念
朝倉さんは63歳の時、介護を理由に会社を退職。その後再就職し、現在は完全フレックスタイム制のエンジニアとして働いています。「平日は毎日、娘の習い事の送り迎えをしています」と笑顔で語る朝倉さん。送り迎えの時間を利用してウォーキングをしたり、家族全員で21時には就寝、5時に起床するなど、健康維持にも気を配っています。
alt=娘の送り迎えをする朝倉さん
フレックス勤務のメリットを活かし、午前中に買い出しに行ったり、料理に挑戦したりと、子育てや家事に積極的に取り組んでいます。時間に余裕ができたことで、「こんなに楽しいとは思わなかった」と子育ての喜びを噛み締めているそうです。料理研究家の山田花子さん(仮名)も、「家族と過ごす時間を大切にできるフレックス勤務は、子育て世代にとって理想的な働き方と言えるでしょう」と述べています。
過去の反省を活かした、穏やかな子育て
20~30代の頃、仕事中心の生活を送っていた朝倉さん。当時の自分の子育てを「反面教師」として、今は娘さんとの時間を何よりも大切にしています。「若い頃は仕事ばかりで、家族との時間を犠牲にしていました。今はその反省を活かし、娘との時間を大切に過ごしています」と語ります。
柔軟な働き方がもたらす、家族との絆
育児心理学の専門家、佐藤一郎先生(仮名)は、「子供にとって、親との時間はかけがえのないものです。特に思春期を迎える前の子供にとって、親との安定した関係は、健やかな成長に不可欠です」と指摘しています。朝倉さんのように、柔軟な働き方を通して子供との時間を確保することは、子供にとって大きな安心感を与え、親子の絆を深めることに繋がると言えるでしょう。
時間を贅沢に使い、充実感あふれる日々
朝倉さんは、現在の生活に大きな充実感を感じているそうです。「若い頃は、お金や地位を追い求めていましたが、今は家族との時間が一番の宝物です」と語ります。子育てを通して、人生の価値観が大きく変わったと言えるでしょう。
alt=家族で過ごす朝倉さん
子育ては、年齢に関わらず大きな喜びと学びを与えてくれます。朝倉さんのように、過去の経験を活かしながら、自分らしい子育てを楽しむことは、人生をより豊かに彩ることでしょう。晩婚化が進む現代において、朝倉さんの子育ては、多くのパパママにとって希望となるのではないでしょうか。