コンビニ大手、ファミマとローソンが雑誌販売を大幅に縮小するというニュースが業界に激震を走らせています。これは単なるコンビニの販売戦略の変化でしょうか？それとも、私たちが愛読してきた雑誌という文化の終焉を告げるものなのでしょうか？本記事では、この現状を深く掘り下げ、雑誌業界の未来について考えてみたいと思います。
スマートフォンとインバウンド需要：雑誌衰退の二大要因
産経新聞の報道によると、ローソンは3月以降、国内約3000店舗で、ファミリーマートも数千店舗で雑誌販売を終了する予定です。この背景には、読者の紙媒体離れ、輸送コストの増加といった要因が挙げられます。しかし、最も大きな要因は、スマートフォンとインバウンド需要にあります。
スマートフォンの普及により、人々はいつでもどこでも手軽に情報を入手できるようになりました。雑誌を読む習慣が薄れ、デジタルコンテンツへの移行が進んでいることは否めません。
さらに、インバウンド需要を取り込めていないことも、雑誌販売の低迷に拍車をかけています。訪日外国人観光客は、日本の雑誌を読む機会が少なく、コンビニで雑誌を購入することはほとんどありません。そのため、雑誌は販売スペースの効率化の対象となりやすいのです。
コンビニの雑誌棚
雑誌業界の危機：2027年には売上ゼロ？
経済誌プレジデントの元編集長で作家の小倉健一氏は、2022年に出版した『週刊誌がなくなる日』の中で、「5年後の2027年に雑誌の売上がゼロになる」と予測しました。この予測は、現在の状況を鑑みると、現実味を帯びてきています。
小倉氏は、自身の経験を踏まえ、雑誌業界の厳しい現状を語っています。コンビニの雑誌コーナーが縮小される様子を目の当たりにし、このままでは雑誌の未来は暗いと言わざるを得ないと危機感を募らせています。
出版業界関係者のA氏も、「雑誌の売上減少は深刻な問題であり、抜本的な改革が必要だ」と述べています。(A氏は仮名)
雑誌の未来：デジタル化とニッチ戦略
雑誌が生き残るためには、デジタル化への対応とニッチな読者層への訴求が不可欠です。電子書籍やオンライン記事など、デジタルコンテンツの充実を図ることで、新たな読者層を獲得できる可能性があります。
また、特定の趣味や関心を持つ読者層に特化した雑誌を発行することで、コアなファンを獲得し、安定した収益を確保する戦略も有効です。
雑誌の未来
コンビニでの販売縮小は、雑誌業界にとって大きな転換期を迎えていることを示しています。変化の波に乗り遅れれば、淘汰されるのは時間の問題でしょう。しかし、新たな戦略を打ち出すことで、雑誌文化は生き残る道を見つけることができるはずです。
