抗議活動が続く香港の九竜地区や新界地区で10日、一部デモ隊が地下鉄駅の改札口や親中派とみなす飲食店を破壊した。警察は強制排除のため催涙弾を発射し、多数を拘束した。通信アプリ上で各地での抗議活動が呼び掛けられていた。
香港メディアによると、新界地区では警察が事前の警告なしに発射した催涙弾が香港メディアの記者に当たり負傷。中心部の商業施設でもマスク姿の市民が拘束される場面があった。
香港では9日までに抗議活動の発端となった「逃亡犯条例」改正案の審議を妨害した罪で民主派議員6人が起訴され、別の民主派議員1人も近く起訴される見通し。7人のうち4人は、民主派の躍進が予想される24日の区議会選に立候補している。8日には衝突現場近くの駐車場で転落した男子大学生が死亡したこともあり、市民の間で香港政府への怒りが高まっている。(共同)