【パリ=三井美奈】スペインで10日、総選挙の投票が行われた。各種世論調査によると、東部カタルーニャ自治州の独立派に強硬姿勢を示す極右「ボックス」(VOX)が議席を倍増し、第3党になる勢い。
VOXは4月の前回選挙で下院(定数350)に初進出し、24議席を獲得した。カタルーニャ州では先月、独立派指導者の裁判で有罪判決が出たのを機に抗議デモが続き、一部は暴徒化している。VOXは、治安に不安を抱く有権者の支持を集めたとみられる。
世論調査では、サンチェス首相が率いる中道左派「社会労働党」が第1党を維持するものの、現有の123議席をやや下回る見込み。いずれの政党も過半数獲得に至らず、組閣難航が予想されている。
スペイン総選挙は4年間で4度目。今回は4月の選挙後、社会労働党を軸とする連立交渉が失敗したのを受けて行われた。即日開票される。