愛知県にある新幹線停車駅「三河安城」。名古屋駅に近づくにつれ車内放送で耳にするこの駅名ですが、実は2つの駅が存在し、さらにデンマークとの意外な繋がりがあることをご存知でしょうか?今回は、この知られざる三河安城の魅力に迫ります。
なぜ2つの駅?新幹線と在来線の駅舎を探る
三河安城には、新幹線と在来線の2つの駅があります。新幹線三河安城駅は、近代的なデザインが特徴。一方、在来線三河安城駅は、どこか懐かしさを感じさせる雰囲気で、隣接する「デンパーク」の文字が目を引きます。この「デンパーク」こそ、三河安城とデンマークを繋ぐ鍵なのです。
在来線の三河安城駅とデンパークの看板
三河安城とデンマークの意外な関係
かつて水不足に悩まされていた安城市一帯は、明治用水が整備されたことで農業が発展し、「日本のデンマーク」と呼ばれるようになりました。デンマークの農家をモチーフにした新幹線駅舎のデザインは、この歴史を反映しています。
農業先進都市へと発展した安城市は、その後名古屋のベッドタウンとして、またトヨタ自動車関連の工場が建ち並ぶ都市へと変貌を遂げました。しかし、その根底には、明治用水によって築かれた農業都市としての歴史が息づいているのです。
明治用水とデンパーク:歴史を伝える水の流れ
現在も現役で活躍する明治用水の一部は、なんと三河安城駅前の公園の地下を流れています。一見おしゃれなだけの駅舎と公園は、実は安城市の歴史を語る重要なシンボルなのです。 まるで、街の成長を見守ってきた水の流れが、未来へと繋がる希望を運んでいるかのようです。都市開発の歴史を研究している愛知大学の山田教授(仮名)は、「明治用水の存在は、安城市の発展に欠かせないものであり、三河安城駅周辺の景観にも大きな影響を与えている」と指摘しています。
新幹線の三河安城駅
もう一つの名物:童話作家・新美南吉
安城市には、もう一つ忘れてはならない名物があります。それは、『ごんぎつね』や『手袋を買いに』で知られる童話作家・新美南吉です。安城駅に隣接する駐輪場の外壁には、新美南吉の作品をモチーフにしたウォールアートが描かれており、訪れる人々の目を楽しませています。
まとめ:歴史と文化が息づく街、三河安城
一見何気ない通過駅にも、それぞれの物語があります。三河安城駅は、農業の歴史、デンマークとの繋がり、そして童話作家の足跡など、様々な魅力が詰まった場所です。次回、三河安城駅を利用する際には、ぜひこれらの物語に思いを馳せてみてください。