福島市の県庁で13日、台風19号などによる大雨被害の犠牲者に、内堀雅雄知事や県職員、災害対応に従事する国の関係者らが黙祷(もくとう)をささげた。この日の県災害対策本部員会議では、発災から1カ月の福島県内における被害状況が報告されたが今も全容は不明で、被害の大きさが浮き彫りになっている。
午後5時、県庁内に一斉放送が流れ、職員は会議や仕事の手を止め1分間、黙祷し、亡くなった人に哀悼の意を表した。同じ時刻に始まった会議では、主に13日午後1時現在の被害や対応の状況、被害額などが明らかになった。
現在も県内33の避難所で1040人が生活。災害による死者は32人、重軽傷者59人。住宅被害は床上浸水10931棟、床下浸水2465棟、全壊553棟、半壊2759棟、一部損壊1954棟となっていた。
農林水産被害の合計は約633億1000万円にのぼっている。このうち、農業などの被害は51市町村で約23億3000万円。農作物被害は2016ヘクタール、19億1000万円余りに及んでいる。農地などに関係する被害は55市町村で約19000カ所、総額525億3000万円余りにのぼっていた。
商工業関係の被害状況は情報を収集中。県管理の道路32カ所は通行止めが続いている。農林水産被害額など一部について災害対策本部では「まだ増える」とみている。