実家への帰省。楽しいはずの時間が、散らかった家を見て憂鬱になってしまう…。そんな経験はありませんか？ 近年、親の家の片付け問題、いわゆる「実家ゴミ屋敷問題」に悩む人が増えています。今回は、実家がゴミ屋敷化してしまった方へのインタビューを通して、その実態と解決策を探ります。
帰省の度に悪化する実家の状態
広島県出身の40歳男性、高畠雅之さん（仮名）は、大学進学を機に上京。卒業後も東京で就職し、現在も都内で生活しています。4LDKのマンションには、両親と3歳上の姉と暮らしていました。 「母は家事も完璧にこなす人で、家はいつも綺麗でした」と高畠さん。しかし、彼が就職して4年が経った頃、お母様が病気で入院することに。介護のために月1〜2回のペースで帰省するようになった高畠さんは、実家の異変に気付きます。
リビングの様子
「リビングには食べ終わった惣菜の容器やペットボトル、新聞、書類が散乱。水回りも汚れが目立ち始めました。父は母の入院以来無気力で、趣味の切手も棚から出して積み上げたまま。姉も家の状態に無関心で、どんどん悪化していきました。」
姉の部屋はヌイグルミだらけ
高畠さんのかつての部屋は、現在姉が使用しています。そこには女性物の衣類や化粧品に加え、大量のヌイグルミが…。
「姉はもともとヌイグルミが好きでしたが、ここまでではありませんでした。母の入院後から増え始め、廊下にはみ出すほどに。一体何が…」と高畠さんは困惑します。
専門家の見解
このケースについて、片付けコンサルタントの佐藤恵美さん（仮名）は次のように分析します。「お母様の入院という環境の変化がきっかけで、ご家族それぞれの精神状態に影響が出たのでしょう。お父様は無気力になり、お姉様はヌイグルミに癒しを求めたのかもしれません。高畠さんのように、実家の変化に戸惑うご家族は少なくありません。」
ゴミ屋敷化を防ぐには？
実家のゴミ屋敷化を防ぐには、早期発見と家族間のコミュニケーションが重要です。異変に気付いたら、まずは家族で話し合う機会を設けましょう。専門家の力を借りるのも有効です。片付けサービスやカウンセリングなどを利用し、状況に合った解決策を見つけることが大切です。
家族みんなで取り組むことが大切
高畠さんのケースのように、家族が協力して片付けに取り組むことで、家は再び快適な空間に戻ることができます。親子の関係を見つめ直し、より良い生活環境を築くきっかけにもなるでしょう。
実家の片付けは、時に困難を伴うかもしれません。しかし、家族の協力と適切なサポートがあれば、必ず解決できます。安心して帰省できる実家を取り戻すために、まずは小さな一歩を踏み出してみませんか？
