滋賀県大津市と守山市を結ぶ琵琶湖大橋を管理する滋賀県道路公社が、2034年までとしていた橋の通行料金の徴収期間を延長し、47年までとする方針を決めた。期間の延長は2回目。資材や人権費の高騰に加え、通行車両が増加し、道路部分の舗装を追加で行う必要が生じたためという。
【写真】懐かしの車ずらり、琵琶湖大橋の渡り初め(1964年)
琵琶湖大橋は全長約1・4キロで、1964年に完成。金融機関などからの借金で道路を整備し、通行料で返済していく「有料道路制度」を活用し、当初は2029年までの65年間、通行料金を徴収するとしていた。現在の料金は、普通車の場合一般150円、自動料金収受システム(ETC)利用は120円。
公社は15年から、渋滞緩和や安全性向上のため、ETCの導入と橋脚基礎部分の耐震化、入り口を4車線化する拡幅工事などを進めてきた。事業費は当初84億円を見込んでいたが、21年に増額の見通しとなったため、料金の徴収期間を34年まで5年間延長した。
すでにETC導入と大津側の4車線化は完了したが、耐震化の進捗率は24年度末時点で約1割。さらに大型車両などの通行量が増え、路面が摩耗したことから、約6億円を投じて道路補修を行う必要が生じた。原材料高や人件費の上昇を踏まえて再度精査したところ、事業費が当初計画より100億円膨らむ184億円に上る見通しとなり、再延長を決めたという。
公社の担当者は「利用者には大変迷惑をかけるが、安全面で重要な耐震化工事などを予定通り終了させるために必要」と理解を求める。