【北京=三塚聖平】ブラジリアで13日、ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの新興5カ国(BRICS)首脳会議が開幕した。中国国営新華社通信によると、中国の習近平国家主席は同日に行われた関連行事で講演し、「保護主義や覇権主義の動きが国際貿易と投資にショックを与え、世界経済の下押し圧力を増大させている」と指摘。貿易戦争を展開するトランプ米政権を示唆し、BRICS各国で連携を強めることが重要だと述べた。
習氏は13日にBRICS各国首脳と個別会談も行った。プーチン露大統領との会談では、「BRICSが多国間主義を堅持し、多角貿易体制を守るという積極的なシグナルを出す」ように中露が結束して働きかけることを促した。それに対し、プーチン氏は「中露関係は堅固で安定し、いかなる外部要素の影響も受けない」と強固な両国関係を強調したという。
今回の議長国であるブラジルのボルソナロ大統領は、親米右派のスタンスで今年1月に就任。昨年の大統領選では、資源外交を進める中国への警戒感を繰り返し示していた。
13日の首脳会談では、習氏が「相互に市場開放し、農産物や鉄鉱石、原油などの製品の長期、安定、直接的な供給ルートを築くことを検討したい」と発言。ボルソナロ氏は「両国の協力はブラジルの今後の発展にとって日増しに重要な意義を持つようになっている」と述べ、最大の貿易相手国である中国の投資を歓迎する意向を示した。