【ワシントン古川幸太郎】トランプ米政権の政策に抗議する大規模なデモ行進が5日、全米各地で行われた。米メディアによると、全50州(参加登録は約60万人)で実施され、1月の政権発足後、最大の抗議活動となった。参加者たちは、発動された相互関税や連邦政府職員の大量解雇など一連の政策を批判。「トランプ(大統領)を弾劾しろ」とシュプレヒコールを上げた。
首都ワシントン中心部の記念塔周辺には数万人が集結し、「独裁者はいらない」「プーチン(ロシア大統領)の操り人形」などと思い思いのプラカードを掲げた。強引なトランプ政権を批判するスローガン「Hands Off(干渉するな)!」を叫びながら行進した。
同政権に関与する起業家イーロン・マスク氏について「火星に帰れ」とのプラカードを掲げていたのは、医療スタッフのキャシー・バークさん(54)。「大統領とマスク氏は国を壊している。側近も議会も何も言わず、このままだと専制政治になってしまう」と訴えた。
米国の対外援助を担う国際開発局(USAID)を解雇された女性(67)は今も、悲しみと怒りがこみ上げてくる。「私たちだけでなく、同盟国にもひどい仕打ちをして、この国に生きるのが恥ずかしい気持ちになる。どうやって前に進めばいいのか、分からない」と話した。
西日本新聞