新潟市西区で昨年5月、下校中の小学2年の女児=当時(7)=が連れ去られて殺害された事件で、殺人や強制わいせつ致死などの罪に問われた小林遼被告(25)の裁判員裁判公判が19日、新潟地裁(山崎威裁判長)で開かれた。被害者参加制度を利用して意見陳述した女児の母親は「被告にふさわしいのは死刑しかない」と、涙で声を詰まらせながら極刑を求めた。
女児の母は「どんな形でも生きていてほしかった。これから先も娘の死を受け入れられないと思う」と、最愛の娘を突然失った悔しさとつらさを切々と語った。その上で、「被害者が1人の事件ではなく、娘は何度も何度も被告に殺された。車でひかれ、首を絞められ、ごみを捨てるようにされて電車にひかれた」と、事件の悪質さを訴えた。
この間、小林被告は目を時折しばたたかせながら真正面を見つめて聞き入り、表情を変えることはほとんどなかった。
被告人質問で、小林被告は遺体を線路に放置した行為について「線路の上に置くだけで(対応が)終わるので、一番手っ取り早く、やりやすいと思った」と供述し、証拠の隠滅が狙いではないと主張。同時に「(残酷な行為との)意識は薄かった」と述べた。