拷問で英外相が中国側に抗議、香港総領事館員





ロンドンのダウニング街を歩く英国のラーブ外相(左)=9月(ロイター)

 【ロンドン=板東和正】英BBC放送(電子版)は20日、香港の英国総領事館に勤務していた香港人の男性(29)が8月に中国で身柄を一時拘束された際、拷問されたと報じた。激化する香港の抗議デモに関する情報提供を求められたといい、ラーブ英外相は同日、「男性が拘束中に受けた拷問に等しい扱いに衝撃を受け、がくぜんとしている」と中国側を非難した。

 BBCは男性にインタビューし、証言の内容を報道した。BBCによると、男性は8月に中国本土に旅行した際、15日間拘束され、手錠をかけられた状態で鎖につながれたほか、目隠しをされたり頭に覆いをかぶせられたりした。

 男性はBBCに「(中国側は)香港の抗議行動で英国がどんな役割を果たしているのかを知りたがった」と話した。男性は、拘束中に殴られ、自白を強要されたと主張している。BBCの取材に応じた英政府関係者は、男性の主張は信用できると指摘した。

 ラーブ氏は20日、「国際的義務に違反し、男性に残忍で不名誉な扱いをした行為への怒りを表明するため、駐英中国大使を呼び出した」との声明を発表した。

 男性をめぐっては、中国政府は8月、広東省深●(=土へんに川)の警察当局が、治安管理処罰法違反で男性を15日間の行政拘留処分にしたことを明らかにしていた。中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報(同)は同月、男性が買春容疑で拘束されたと報じたが、真偽は不明だ。

 中国外務省の耿(こう)爽(そう)報道官は20日の定例記者会見で「(男性の)拘留期間中、合法的な権利は守った。英国は香港問題で誤った言動を続けており、中国は強烈な憤慨の意を示したい」と述べた。



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