サウジアラビアでの「ドラゴンボール」テーマパーク建設のニュースを皮切りに、現地のアニメ人気が日本にまで伝わったことで、日本のエンタメ会社が熱視線を向ける中東・アラブ地域。サウジアラビアで設立されたアニメ・漫画・ゲームの制/製作・配給会社であるマンガプロダクションズのブカーリ・イサムCEO(最高経営責任者)に、中東アニメ産業の展望を聞きました。
――昨年は「グレンダイザーU」や「アサティール2 未来の昔ばなし」といったアニメの制/製作や配給、メディアミックス展開に注力しました。今年はどのような展開をしていきますか。
アニメの配給も引き続き行いますが、今年は特にリアルイベント、中でもリヤドシーズンへの作品の活用やビジネス展開に力を入れていきたいです。リヤドシーズンでは特に、昨今のeスポーツ・ワールドカップや「ドラゴンボール」テーマパークのような、サウジアラビア以外では体験できないものをいろいろと作りたいと思っています。
具体的な内容は解禁前ですが、現在もリヤドシーズンで展開する作品について動いていますので、もしかしたら今後、開催に合わせて日本でも発表を行うかもしれません。
注:リヤドシーズンとは、サウジアラビアの首都・リヤドで毎年10月頃から4月頃まで開催される中東最大級の観光イベント。期間中はコンサートやスポーツの試合など、様々なエンタメイベントが行われる。
――リアルイベントであれば、自社の作品を持つ企業だけでなくアニメグッズ等を扱う関連企業にもビジネスの機会がありそうです。一方で、アニメグッズには海賊版も多く、日本国外では手に入る種類も限られています。
正規のアニメグッズの販売は、今後リヤドシーズンなどでも行っていきたいと思っています。海賊版対策については、アニメグッズではありませんが、私が同じく代表を務めるマンガアラビアでのコミックスの販売が、海賊版サイト減少に貢献していると評価されています。日本の特許庁の模倣品撲滅運動に協力させていただいたこともあり、同庁から感謝状をもらいました。