「逃げ癖がつく」「情弱ビジネス」との声もあるが…。新卒利用が急増の「退職代行」。ブラック企業と裁判した男性が”違和感”を覚える箇所


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 一般的な社会人の感覚からすると、入社1カ月で会社に見切りをつけるのは「早すぎる」と感じる方が大半だろう。

 これは補足だが、退職代行モームリを利用して4月1日に離職した134名のうち、新卒利用者(つまり会社を1日で辞めた)は計5名。単純すぎる計算ではあるが、GW明けに6倍にまで急増している。

 退職代行サービスに対して、「逃げ癖がつくのではないか」「若者を甘やかしすぎている」「情弱ビジネス」といった懸念の声は少なくない。しかしその一方で、「ブラック企業から逃れるための手段でありセーフティーネット」「バックレるよりマシ」「家事代行みたいなもんでしょ」といった肯定的な声も多い。

 筆者はライターとして、さまざまなビジネスパーソンや企業に働き方関連の取材をしている。また、実体験として、(元)勤務先を相手に2回裁判をしたこともある。そういった背景を持つ社会人のひとりとして先に結論を述べると、私は退職代行を使って離職することは、老若男女問わず「ブラック企業に就職した場合はアリ」だと考えている。

■2回の不当解雇。会社を辞めなかった「ツケ」

 ところで、退職代行の賛否について考えるとき、私はいつも「もしあの頃に退職代行があったら」といった想像をする。私は退職代行を利用していたのだろうか。あるいは、利用するべきだったのだろうか……。

 あくまで現在の考えだと前置きしつつ、「もし当時、退職代行サービスがあったなら、利用すべき」だと考えている。なぜなら、ブラック企業を辞めなかったことで、私は「ツケ」を支払う必要に迫られたからだ。その「ツケ」とは……2社から「クビ」を宣告されたことだ。



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