9日、衆議院内閣委員会における日本学術会議法に関する質疑の中で、日本共産党の塩川鉄也議員が怒りをあらわにした。
塩川議員は冒頭「先ほどの日本維新の会の三木委員の発言だが、この間の学術会議に対する我が党に対する不当な攻撃に対して強く抗議する。ましてや、市民の発言を抑圧するようなことは許されるものではない。さらには、大臣が特別な発言を繰り返す会員には解任を持ち出すかのような答弁というのは断じて認められるものではない」と述べると議場内には「そうだ」という声が。
塩川議員は続けて「我が党が学術会議に不当に介入・干渉した事実は全くない。三木議員は本会議で『日本共産党の70年の本には同党が日本学術会議の設立に一定の役割を果たしたと書かれている』と述べたが、実際には、『日本共産党』が主語ではなく『民主主義科学者協会が日本学術会議の設立に一定の役割を果たした』と書いてある。まさに、70年の党史の記述を改ざんして本会議で質問の材料にすると。とんでもない話だ。こんな我が党への攻撃、同じようなことをやっているのは統一教会系の団体の国際勝共連合や世界日報だ。世界日報の社説では『日本学術会議、共産党の影響力を排除せよ』などと書かれている。結局、三木委員のやっていることは反社会的集団の統一教会系団体と同じものであり、統一教会と一体と見られても仕方がないと」と述べ、三木議員の席に向かって手を伸ばし「恥ずかしくて本人もいなくなってしまった」と述べた。
塩川議員はここで“矛先”を変える。
「ただ、この間の答弁の誤りはあまりにもひどいと言わざるを得ない。本会議において、大臣が『候補者選考委員』と『候補者選定委員』を言い間違える。その修正の答弁についても誤りがあった。また、(内閣府の)笹川室長の答弁においては『会長職務代行者』を『会長予定者』と繰り返し述べるようなことがあった。さらには、今日明らかになったように、会長の選任方法を『総会の決議による選任』と言うべきところを現行法と同じ『互選』と述べるという。私も長年国会議員やっているがこんなに政府の答弁が1つの質問で繰り返されるようなことは経験したことがない。これは国会の審議を愚弄するものではないか。これは委員長として、はっきりと政府に対してそういう旨を強く伝えるべきではありませんか?」
これに対し大岡敏孝委員長は「私にも発言の機会をいただき、ありがとうございます。いずれも塩川先生のご指摘で明らかになったミスだと思っている。政府に対しては、法案説明、それから答弁においては正確な言葉を使うように、私からも強く厳重に注意をさせていただきたいと思う」と述べた。
塩川議員はさらに「あまりにもひどいと。4回も答弁を誤るような政府の対応はもう看過しがたいと思っている。こういう問題について、大臣として率直に発言をいただきたい」と述べた。
指名された坂井大臣は「私なりに一生懸命やってきたわけであり、笹川室長も懸命にやっていただいていると思うが、このような結果になりましたことは申し訳なく思う。誠心誠意努めて参りたい」と謝罪。
塩川議員は「質問しても答弁が間違っているかどうかチェックしなくちゃいけない。そんなところから始めるので、まともな議論にならないのは当然のことではないか。丁寧な議論が必要だ。まさに現行法を廃止して新法を作るわけだから、まさに新法を逐条的に議論することこそ当委員会が行うべきことであって、今日で質疑終局・採決のようなことを与党が提案してるのは断じて認めることはできない。徹底審議をぜひとも求めていく」と述べた。
衆議院内閣委員会は9日、日本学術会議を現行の国の特別機関から特殊法人へと移行させる法案について、与党などの賛成多数で可決した。
(ABEMA NEWS)
ABEMA TIMES編集部