イーロン・マスクへの批判からテスラは危機に陥り、特にヨーロッパでの販売台数が急落している。売上が急増しているBYDなど、中国のEVメーカーとの競争の激化にも直面している。テスラにとって3番目に大きな市場で、同社を悩ませる中国製EV6台を紹介しよう。
テスラの悪夢が2025年から始まり、ヨーロッパほどひどいところはないだろう。
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市場調査会社のDataForceの数値によると、2025年第1四半期におけるヨーロッパでのテスラの売上げは37%減少した。これは、イーロン・マスク(Elon Musk)CEOがトランプ政権に関与したことによる、世界的なブランド危機との闘いだ。
テスラは、かつては唯一の電気自動車(EV)専門メーカーだったが、現在のヨーロッパでは多くの競合と直面して苦境に陥っている。競合の中には、中国の新しい企業もある。BYDなどの中国メーカーは、自国の市場でテスラを負かすだけでは満足せず、海外市場、とくにヨーロッパで急速に拡大している。
依然としてヨーロッパのEV市場ではテスラが優位で、中国メーカーの存在は小さいが、売上データはそれらが追い上げていることを示唆している。
DataForceの数値によると、BYDの販売台数は、2024年第1四半期の約7000台から、2025年第1四半期の2万7000台まで、300%近くの増加となった。
テスラがその地位の維持に苦しむ中、テスラにとっての第3の市場でイーロン・マスクを悩ませている中国のEVを紹介する。
BYD Seal U
BYDは過去1年間、ヨーロッパで多くのモデルを販売してきたが、「Seal U」はテスラを過敏にさせているモデルだ。
同社は2025年、1万2400台のハイブリッドSUVを販売したが、その半数以上がここ1カ月の売上によるものだ。
中国の競合の多くと同じように、BYDはテスラがヨーロッパでは販売していない、ハイブリッド車に重きを置いている。これらは、2024年にEUによって導入された、中国のEV車に対する関税の免税対象となっている。