「自覚症状はまったくなかったんです」。結婚直後に腎臓がんが発覚した藤崎マーケットの田崎佑一さん。予期せぬ現実に直面し、幸せの絶頂から突き落とされた気分だったそうで ── 。(全3回中の1回)
■左の腎臓に腫瘍らしきものが…
──「ラララライ体操」でおなじみのお笑いコンビ、藤崎マーケットの田崎佑一さん。2017年に腎臓がんを経験されています。どういうきっかけで発見に至ったのでしょうか?
田崎さん:2017年の9月に人間ドックを受けたことがきっかけでした。じつはその4年ほど前に番組の企画で人間ドックを受けたことがあったんです。特に異常はなかったのですが、仕事柄、身体が資本だから、これを機に人間ドックを毎年受けようと思っていたんです。ただ、仕事が忙しくてつい忘れてしまっていたんですが、そのときはなぜか人間ドックのことが気になってしかたなかったんですよね。
── 何か思い当たる症状でもあったのですか?
田崎さん:いえ、特に体調が悪いわけではなく、自分でも不思議でした。そんなある日、たまたま出演していた関西の情報番組の特集が人間ドックだったんです。「ああ、これは神さまが行けと言っているのかもしれないな」と思い、すぐにその施設を紹介してもらいました。久しぶりの人間ドックだったので、いちばん内容が充実した20万くらいのコースを選択。2週間以内に郵送で結果が届くと聞いていたのですが、3日後に病院から電話がかかってきて「左の腎臓に腫瘍らしきものが見つかったので、大きな病院で診てもらってください」と言われたんです。
「まさか自分が…がん?」と血の気が引くような思いでした。いま思えば「虫の知らせ」というやつだったのかもしれません。すぐに病院に行ったものの、検査の予約がなかなか取れず、再検査まで3週間待つことになりました。
── 当時、結婚直後だったそうですね。幸せの絶頂期に突如、訪れた予期せぬ出来事。奥さんもさぞかし驚かれたのでは…?
田崎さん:「がんかもしれない」と告げたら、その場で泣き崩れ、過呼吸になるくらいショックを受けていました。本当に人が「膝から崩れ落ちる瞬間」を目の当たりにしましたね。無理もありません。「これからどうする?」とワクワクしながら未来を語っていた矢先でしたから。まさに幸せの絶頂からどん底へと突き落とされた気分でした。泣きじゃくる奥さんを不安にさせたくなくて「こんなに元気やから大丈夫やで!」となだめて。新婚早々、心配をかけてしまって、申し訳ないことをしました。