新車の購入を検討する際、現金一括払いとローンのどちらにしたほうが良いのか、悩む人も多いのではないでしょうか。特に、手元資金の活用の仕方は将来の資産形成に大きく影響します。
とは言え、基本的にはローンを組むよりも現金一括購入のほうが、ローンの金利を払うよりも支払総額が安くなると思う人が多いのではないでしょうか? もちろん、この考えは完全に間違いではありません。
しかし、例えば新車で300万円するトヨタのカローラを購入する際などに、ローンを組んだほうが結果的にお得になることもあります。どういうことか見ていきましょう。
現金一括購入のメリットとデメリット
一般的に、現金で一括購入した場合は、ローンを利用しないため金利による追加支出が発生しません。つまり、300万円の車に対して、現金300万円を支払えば、車の所有権は自分のものになるということです。
一方、300万円という大金を悩まずに現金一括払いできる人はそう多くはないでしょう。仮に300万円を一括で払ったとしても、多くの場合は貯蓄が大きく減り、緊急時や、投資などに回す資金は減少してしまいます。
ローン購入のメリットとデメリット
ローン購入のメリットは手元資金に余裕をもたせながら、車を購入できることです。
一方、デメリットとしては金利負担が挙げられます。300万円の新車を購入するために全額ローンを組めば、金利の分を含めるとトータルの支出が300万円を超えることは避けられません。
なぜ「ローンのほうがお得」なのか?
ここまでの内容をふまえると、トータルの支出はローンのほうが必ず大きくなるため、「ローンのほうがお得」という意味が分からない人もいるでしょう。
「ローンのほうがお得」と口にした友人の真意としては、ローン購入のメリットである「お金をさまざまな用途に使用できる」点がポイントだと考えられます。
例えば、仮に300万円の車を年利1%のカーローンで購入した場合、年間の金利負担額は300万円の1%分の3万円です。
一方、手元にある300万円を年利5%で運用した場合、資産運用による利益は300万円の5%分の15万円です。
つまり、もしも手元にある300万円を年利5%で運用しつつ、年利1%のローンを組んで車を購入した場合、運用益と金利負担の差は年間12万円(15万円-3万円)となります。そのため、このようなケースではローンを組みつつ資産運用したほうが、経済的に有利だと言えます。
これが友人の言う「現金で買うよりもローンを使えば得をする」という言葉の真意だと考えられます。