史上最大といえる大改革に取り組んだ16代目クラウン。4種類のボディをラインナップしたほか、PHEVやFCEVも用意した。しかし、これからもクラウンの挑戦は続く。次期17代目クラウンは何を変え、何を守っていくべきなのだろうか?
【画像ギャラリー】クラウンの最高傑作は……ネクストワンだ!!17代目へとバトンを繋ぐ16代目トヨタ クラウン(16枚)
※本稿は2025年3月のものです
文:片岡英明/写真:トヨタ、ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2025年4月26日号
4種のクラウンついに揃い踏み!
快適な後席に座るだけでなく運転しても楽しい、オーナーカーの頂点立つのがクラウンというブランドだ。「いつかはクラウン」のキャッチコピーからわかるように、成功した者にとってクラウンは憧れの高級車であり、シンボリックな存在であった。
100年に一度の大変革期に、16代目クラウンはボディタイプや駆動方式を積極的に増やし、海外での販売も開始した。逆に、パワーユニットはハイブリッドを中心とした4気筒エンジンだけに絞っている。
クラウンは古い衣を脱ぎ捨て、メカニズムにもデザインにも新しい提案を盛り込んだプレミアムカーになろうとしている。次世代のクラウンは、ライバルの指標となることを目指し大胆な変貌を遂げるだろう。
カーボンニュートラルに全力で取り組んでいるトヨタは、この先も全方位でのマルチパスウェイ、マルチソリューション戦略で勝負を挑んでいくはずだ。クラウンも内燃機関は豊富な経験とノウハウを持つハイブリッド車がしばらくの間は主役になる。が、これを発展させたPHEVが間違いなく比重を増すだろう。
eフューエルと呼ばれる合成燃料や水素を使ったクラウンも登場するだろう。また2050年の完全電動化を公言しているから、燃料電池(FCEV)搭載車に加え、バッテリーEVのクラウンもベールを脱ぐ。
もちろん、今後のクラウンは車載ソフトウェアを大幅に進化させ、意のままの快適な走りだけでなく、自動運転の領域にも大きく近づく。スマホと連携させたコネクティッドの世界も大きな広がりを見せるはずだ。次の世代、クラウンは間違いなく大きく変わる。
しかし、この先も変わらないのは、最新技術をさりげなく使いながらオーナーとパッセンジャーを気持ちよく移動させる、老舗ならではのおもてなしの姿勢である。それがクラウンの持つ唯一無二の世界観だ。