大炎上した書籍を最後まで読んだら「衝撃の大どんでん返し」が待っていた 。「散々、人にレッテル貼りしておいて…」


「困ったさん」=精神疾患・発達障害とレッテル貼り

・こだわり強めの過集中さん→ASD
・天真爛漫なひらめきダッシュさん→ADHD
・愛情不足のかまってさん→愛着障害
・心に傷を抱えた敏感さん→トラウマ障害
・変化に対応できない価値観迷子さん→世代ギャップ
・頑張りすぎて心が疲れたおやすみさん→疾患

 戦慄するカテゴライズである。すべて、障害・疾患と結びつけて書く必要のないものばかりだからだ。

 ADHDには「ケアレスミスが多い、時間・期限を守らない」という特徴があると紹介しているのだが、障害や疾患がない人もそんなやらかしは散々やっているだろう。そういう側面はみんなが持っているのに、「困ったさん」=精神疾患・発達障害とレッテルを貼っているところがアウトである。

 さらに引っかかったのが、上記6タイプのうちの1つ「頑張りすぎて心が疲れたおやすみさん→疾患」というカテゴリーだ。かつては人一倍頑張り、激務の果てに壊れてしまった人のことを「困ったさん」として扱うグロさが見ていられない。そこは頑張りすぎた者を「困った人」として括るのではなく、背負いきれないほどの負荷を特定の者にかける環境、つまり「困った環境」の構造、異常性にフォーカスするべきだろう。

「こんな人はASDです」「トラウマ障害です」次々とキメウチ

 そんな人が、わずか16問のイエス・ノーのみで「こんな人は以下の『困ったさん』です!」と分類してしまう雑な診断チャートを作成、自著に堂々と掲載しているのだからマズい。あまりにバッサバッサと「こんな人はASDです」「こういう人はトラウマ障害です」とキメウチしていくのだ。浅い観察でラベリングを促す診断チャートの危うさは、差別の正当化の根拠につながる危険性を孕んでいる。

 同書が炎上した状況を受け、三笠書房は出版社としての見解を4月18日に発表。以下のように主張している。

「収録されている『簡易版診断チャート』は、直ちに障害や病気という医療上の診断に繫がるものではないことは言うまでもなく、あくまでも相手を理解するための『目安』に過ぎません」

 いや、あくまで目安ならば具体的な診断名をぶっ込んでくるのはダメである。いくら言い訳を重ねてもアウトだ。



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