今年も猛暑の到来に備えて、夏服を買い揃えるためアパレルショップを訪れる人も多いだろう。そうしたなか、大手アパレルブランド・ユニクロで買い物をした人たちからは“生地の変化”を感じる声があがっている。
1年ぶりにユニクロで夏服を購入した専業主婦のAさん(30代)は、シーズンごとに同店を訪れるヘビーユーザー。「最近、いろんな商品で生地が薄くなっているような気がする」と明かす。
「毎年、夏前にはユニクロで無地のTシャツを数枚購入するのですが、去年よりも生地が薄くなっているような……。洋服も値上げになっているブランドが多いなかで、まだまだユニクロの商品は安いほうなので、季節の変わり目には必ず一度はユニクロを利用するのですが、最近、靴下やセーターなどで“薄くなったな”と感じることが増えました」(Aさん)
生地の厚さについては、今年の春までユニクロでアルバイトとして3年間働いていた男性・Bさん(20代)も「薄くなっているものがある」と話す。
「僕が気がついたのは、今年スウェットを買った時でした。去年のものと比較して、生地の触り心地が薄くなっているんですよね。僕は学生時代、ほぼ週5でアルバイトをしていて、毎日何十という商品を出したり畳み直したりしているので、勘違いではないと思うのですが……」(Bさん)
X上には、少し前から同様の疑問を抱いた人たちによる、〈ユニクロの生地、前より薄くなってない?〉〈5年ぐらい前に買ったやつより薄く、少し小さくなってる、気がする〉という声のほか、〈ユニクロの生地が年々薄くなってる気がする。値上げしてもいいから、そのままの厚さで出してほしかった〉〈去年より薄くなってる…値段は変わってないので維持するためかな〉と、価格を据え置くための努力なのかと推察する声も散見される。
「生地の厚さを変更するなどは行っておりません」
実際、ユニクロの生地は薄くなっているのだろうか。これはもう、ユニクロに聞いてみるのが早いだろう。
ユニクロのマーケティング担当者によると、「どの商品も物価高の影響で生地の厚さを変更するなどは行っておりません」とのこと。ただし「素材レシピは変わらない」と、原材料の配合などに変化はないとしたうえで、「シルエットを変更したことによって、生地が薄く感じられるという方もいらっしゃるのではと思われます」とする。
“究極の普段着”を目指すユニクロは随時、ユーザーの声を参考に定番アイテムも含めた商品改良を行なっている 。たとえば、前述の「スウェット」は今年1月にアップデー ト。袖と袖口のバランスや洗濯耐久性の向上などといった細かい改良を重ね 、機能性とデザイン性の両立を追求した。
「商品ごとに最適な素材を厳選し、その素材の特性を最大限に活かした商品開発をし、お求めやすい価格でご提供できるよう努力しています」(担当者)
このような改良の結果として、愛用者から「生地が薄くなった」と感じられているのではないかというわけだが、ユニクロ側はSNS上にある「薄くなった」という声を把握しているのだろうか。
担当者は「お客様のお声は把握している」といい、「商品のアップデートポイントをお客様にお伝えするとともに、懸念のある商品は特定をして、製品ごとのバラツキをなくすための生産管理基準や商品のシルエットなどを修正し、対応しております」と、顧客に向き合う姿勢を見せる。
原材料や輸送費、人件費などの高騰が商品価格に転嫁されることも多い昨今。わずかな変化に気づく声があがるのも日々愛用する人が多いからこそだろう。