森永卓郎さん(享年67)が最期に問うた“日本人への疑問”「高い家賃に少ない手取り、日本はおかしくないですか?」


【話題の書籍】森永卓郎さん(享年67)が“資本主義の闇”に切り込み、「日本人が生き抜くための“答え”」を記した遺作『さらば!グローバル資本主義』

森永氏が最期に到達した「日本人が生き抜くための“答え”」とは――。
今回は、新刊を再編集したうえで、「高い家賃と少ない手取り」について森永卓郎さんの問題提起を紹介する。

 いまの家賃相場は、都内23区の利便性のいいエリアでは、信じられないことに3畳とか4畳半程度の、人ひとりが生活するのに最低限の広さのワンルームマンションの家賃が7〜8万円することも少なくなりません。

 初任給が(最近では上昇傾向にありますが)手取りで20万円程度(中小零細企業、非正規雇用)の若者にとって、それは大変な出費です。

 そんな小さな部屋でも、都心で生活するために、若者は冷蔵庫も買わずに近くのコンビニを冷蔵庫がわりにしています。

 このような不健康な生活を続けながら、早朝から深夜まで「やりがいのない仕事」で「巨大な組織の歯車」となって、会社や現場に縛りつけられている人も、決して少なくはないのです。

 そんななかでiPhoneを買えば、場合によっては2年分割払い契約などとなる。

 友達と飲みに行けば、都会の高い酒代を払わないといけないことも少なくない。

彼女彼氏がいるならばまだましで、若者たちの結婚率は下がる一方で、結婚しないから出産もない。

 2023年の出生数はついに80万人を割りました。戦後のベビーブームのときの約3分の1です。

 これでは日本の人口減少の下り坂曲線も急角度になる一方で、ゆるまることも期待できません。

■「リモートワーク」も揺り戻しで減ってきている現実



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