ネタニヤフ首相、英仏カナダ首脳を「ハマス存続を望んでいる」と非難 停戦圧力に反発


ネタニヤフ首相は、3首脳が「集団殺害者、レイプ犯、乳児殺害者、誘拐犯の側に立っている」とも述べ、強い言葉で非難した。

この発言は、米首都ワシントンで発生したイスラエル大使館職員2人の殺害事件を受けて、ネタニヤフ氏がXに投稿した動画の中でのもの。ネタニヤフ氏は、スターマー氏、マクロン氏、カーニー氏が「イスラエルに軍事作戦を停止し、ハマスの殺人部隊の存続を受け入れるべきだと求めている」と主張した。

ネタニヤフ氏はさらに、「これらの指導者たちは平和を推進しているつもりかもしれないが、実際にはハマスを助長している」と述べた。

英首相官邸は、ネタニヤフ首相の発言に直接のコメントは避けたが、スターマー首相がソーシャルメディアで、ワシントンの事件を「反ユダヤ主義による攻撃」として強く非難したことを指摘した。

この投稿でスターマー首相は、反ユダヤ主義を「我々が根絶しなければならない悪」だと表現した。

イギリスとフランス、カナダは19日、イスラエルによる軍事作戦の拡大と、パレスチナ・ガザ地区の民間人への人道支援の拒否を非難し、それらが続くなら具体的な措置を取ると警告した。

スターマー首相はこの日の英議会で、イスラエルの行動に「戦慄(せんりつ)を覚えた」と発言。ガザの状況を「耐え難い」と表現したうえで、イスラエルがガザへの支援物資の搬入をごくわずかにとどめていることについて、「まったく不十分だ」と非難していた。

■「正義の側にいない」と非難

ネタニヤフ首相は動画の中で、ハマスがイスラエルを破壊し、ユダヤ人を絶滅させようとしていると述べた。

「この単純な真実が、フランス、イギリス、カナダ、その他の指導者たちに理解されないことが、私には理解できない」

「私はマクロン大統領、カーニー首相、スターマー首相に言いたい。集団殺害者、レイプ犯、乳児殺害者、誘拐犯があなたたちに感謝しているなら、あなたたちは正義の側にいないということだ」

「あなたたちは人道において間違っており、歴史においても間違っている」

イスラエル閣僚のアミハイ・チクリ氏も、スターマー首相や他の指導者たちが「テロの勢力を勢いづけている」と述べた。

22日にBBCの番組「ニューズアワー」に出演したイスラエルのエフード・オルメルト元首相は、現在のイスラエル政権を「ならず者の集団」と表現した。

オルメルト氏は、以前のBBCでのインタビューをとらえてイスラエルの教育相が「オルメルト氏は恥を知るべきだ」と発言したことについて、質問を受けた。オルメルト氏は当時のインタビューで、イスラエルのガザでの行動は「戦争犯罪に近い」と述べていた。

「ばかげている。今のイスラエルを動かしているのは、ならず者の集団だ。そしてそのトップがネタニヤフだ。これはならず者の集団だ」とオルメルト氏は語った。

「もちろん彼らは私を批判し、中傷している。それは受け入れる。しかし、それによって私がこのおぞましい政策を批判し、反対することをやめることはない」

イスラエルは、2023年10月7日にハマスが越境攻撃を行い、約1200人を殺害、251人を人質として連れ去ったことへの報復として、ガザでの軍事作戦を開始した。

ハマスが運営するガザの保健省によると、それ以降、少なくとも5万3762人が死亡しており、そのうち約1万6500人が子どもだという。

(英語記事 Netanyahu accuses Starmer of siding with Hamas)

(c) BBC News



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