米国の関税問題を巡り、赤沢経済再生相は23日に続き、30日を軸に再訪米してベッセント財務長官と協議を行う方針を固めた。日米両政府は、6月中旬にカナダでの先進7か国首脳会議(G7サミット)に合わせ、石破首相とトランプ大統領の首脳会談を行い、問題の打開を図ることを検討している。
複数の政府関係者が明らかにした。23日(日本時間24日)にワシントンで行われる3回目の閣僚協議には、米側からラトニック商務長官、グリア通商代表部(USTR)代表が出席する予定だ。米側交渉団の統括役のベッセント氏が欠席する見通しとなり、赤沢氏は協議後、いったん帰国し、改めて訪米してベッセント氏との4回目の閣僚協議に臨むことになった。
両政府は、一連の閣僚協議で交渉が前進すれば、首脳会談で関税問題に関して何らかの合意を結ぶことも視野に入れている。
ただ、自動車などへの追加関税を含む一連の関税措置の撤廃を求める日本と米側との立場の隔たりは依然大きい。今週行われている事務レベル協議でも、歩み寄りの兆しはない。
赤沢氏は「早期に合意することを優先するあまり、日本の国益を損なうものであってはならない」との立場で、非関税障壁の見直しなどの交渉カードを示しながら、慎重に米側の出方を探る構えだ。
6月中旬までに一致点が見いだせない場合、首脳会談では交渉の進展状況や双方の基本認識を確認し、その後も閣僚協議を継続することになりそうだ。