日本郵便は23日、唐津郵便局(佐賀県唐津市)の20代の局員が、4月上旬から30日までの間に計1189件の郵便物などを配達せず、数カ所に放置したり隠したりしていたと発表した。平山泰豊・日本郵便九州支社長らが佐賀市で記者会見し、「社会的公共的役割を担い、信用を第一とする弊社としてこのような事案が発生し、おわび申し上げます」と謝罪した。
【写真】会見する平山泰豊・日本郵便九州支社長=2025年5月23日午後2時2分、佐賀市松原2丁目、渕沢貴子撮影
発表によると、局員は今年1月、6カ月間の有期雇用契約社員となり、唐津市内で配達をしていた。5月1日に市内で郵便物を見つけた人から連絡があり、発覚した。
局員は、段階的に配達エリアが広がり、4月は1日平均400件程度を配達するようになった。「配達しきれない分を放棄・隠匿した」と説明したという。内訳は普通郵便717通、ゆうメールなど472個。すべて回収済みで、損傷はないため再配達可能としている。
九州支社の担当者は、局員の仕事ぶりに問題は無く、配達量は多くはなかったと説明。「配りきれなくても特にペナルティーはなく、別の局員が手伝うなど対処する。正直に話してくれれば良かった」と話した。
既に唐津署に相談済みで、被害届を提出する予定という。(渕沢貴子)
朝日新聞社