母「一生が変わってしまう」、落雷事故で息子に重い障害…繰り返さないようにと訴え


 奈良市の事故は部活中で、雷注意報が出ていたが、顧問らは把握できていなかったり、認識するも対応できていなかったりしたとされる。みずほさんは「あの日、雷はたまたま光寿に落ちた。注意報が出たら屋内に避難するよう徹底してほしい」と警鐘を鳴らす。

 約30年前の事故では、北村さんはすぐ救急搬送されたが、30分間心肺停止状態になった。電気ショックで蘇生したが、2か月間、意識が戻らなかった。「たくさんのチューブにつながれ、目を見開いた状態で、体は棒のように硬かった」。大阪の病院で北村さんと対面したみずほさんは振り返る。

 その後、同級生や医師などの支援を受けながらリハビリを開始し、2004年には県立盲学校に入学。キーボードで文字を打つ練習をし、音声パソコンでの意思疎通ができるようになった。

 みずほさんは事故が起きてからの日々を振り返り、「光寿と私の生活は一変し、二人三脚で、ひとときも休まる暇なくここまできた。光寿が諦めずに頑張ってきたからこそ今がある」と前を向く。一方で、約30年たっても落雷の事故がなくならない現状に、「未来のある中高生が雷に打たれる悲劇は二度と起こってはならない。落雷で一生が変わってしまうということを、広く学校関係者などに知ってもらいたい」と訴える。

読売新聞社



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