6月末に「都内で大量閉店」の天下一品。久々に訪れると味は昔のまま…なのに、昨年にも多数の閉店が。一体なぜ「縮小」が続いているのか?


 そんな経験をしたことはないだろうか。チェーン店なんてじっくりは見ないけれど、視界のどこかに入ってくる。それが、いつの間にか消えてしまう。静かに。そして、消えてから「ああ、なくなっちゃったんだな」と気付く。

【写真でわかる】一体なぜ「縮小」が続いているのか? スープのドロっと感がたまらない「こってりラーメン」(税込940円)/昔と比べると高くなった?今となっては1000円以内のラーメンは安いかな……と思う自分がいる/モバイルオーダーの注文方法を説明する紙も

 そんな憂き目にあるのが、ラーメンチェーン「天下一品」だ。

 「天一」という愛称で呼ばれるこの店が、6月末に大量閉店する。閉まるのは主に東京を中心とした10店舗。実は昨年にも天一は都内で多くの店舗を閉めており、2年連続での閉店ラッシュといったところだ。

 どうしてこのようなことになったのか。この「天一騒動」で重要なのが「フランチャイズ」という視点。そのポイントから騒動を振り返り、それが意味するところを考えたい。

■久々の天下一品は変わらなかった

 そもそも、閉店する店舗はどのような状況なのだろう。私は閉店が予定されている「池袋西口店」を訪れることにした。池袋の歓楽街のど真ん中にある。

 注文はスマホを使ったセルフオーダー。ここでラーメンの種類や量、麺の硬さ、トッピングなどを選んでいく。

■久しぶりに味わってみると…

 頼んだのは名物の「こってりラーメン」。税込940円。

 昔よりは少し高くなったかな? と思いつつ、まあ今は「ラーメン1000円の壁」なんて言葉もあるし、このインフレ時代にありがたい存在であることには変わりないよな……などと、いじいじ思いながらラーメンがやってくるのを待つ。

 おじさんはSNSを見てやってきたのかもしれない。天下一品は根強いファンも多く、都内の大量閉店はショッキングな出来事だったのだろう。

 ラーメンが到着。鶏ガラや野菜をじっくり煮込んだ独特のスープに細麺が絡む。とんこつラーメンとも家系ともまた違う、ペーストのようなスープがクセになる。久々に食べたが、またハマりそう(家の近くからはなくなるのに)。



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