【香港区議会選】台湾与党は「追い風」期待「中国にノーと言った」





香港区議会選で当選を決め、支援者らに声援を送られる「民間人権陣線」の岑子傑代表(左端)=25日、香港(共同)

 【台北=田中靖人】台湾の政権与党と野党は25日、香港区議会選での民主派の圧勝を受け、中国政府と香港政府に市民との対話を呼びかけた。中でも与党、民主進歩党は来年1月の総統選での蔡英文総統の再選や、立法委員(国会議員に相当)選での「追い風」にしたい思惑をにじませた。

 総統府は報道官声明で、選挙結果は「自由と民主を追求する香港の人々の強い意思の表れだ」として「敬意と支持」を表明した。民進党所属の蘇嘉全(そ・かぜん)立法院長(国会議長)はフェイスブックに「香港人が投票用紙で中国に『ノー』と言った」と投稿した。

 野党、中国国民党も報道発表で「香港市民の、中国大陸の統制に対する不信任票だ」と指摘し、「市民の間の亀裂を修復する」よう中国、香港双方の当局に求めた。ただ、「台湾独立に反対する」とも付け加え、中国への配慮も見せた。

 一方、民進党の副総統候補である頼清徳(らい・せいとく)前行政院長(首相)は記者会見で、「国民党の立場は香港の親中派と同じだ」と主張。「香港の区議会選と同様、台湾の民主主義を守る団体に勝たせてほしい」と同党候補への支持を訴えた。

 「台湾独立」派寄りの民間団体「台湾民意基金会」が25日に公表した世論調査で、「香港情勢の悪化の原因は中国政府と香港政府にある」との見方に62・6%が「同意する」と回答し、台湾世論の中国を見る目は厳しい。香港区議会選の結果は政権与党に有利に働くとの見方が一般的だ。



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