中国の東北工程を告発・批判してきた徐吉洙(ソ・ギルス)元西江大学教授(高句麗・高麗研究所理事長)が6日、中国の瀋陽空港で入国を拒否されていたことが分かった。徐教授は26日「高句麗遺跡発掘チームのメンバー16人と共に中国に向かったが、空港で入国を拒否されたため、搭乗した大韓航空便で帰国するしかなかった」と本紙に伝えた。
徐教授によると、当時中国の入国管理局職員に入国拒否の理由を問いただしたが説明はなかったという。その後中国駐在の韓国領事館を通じて再び問い合わせたところ、26日になって領事館から「中国側から何の回答もないので、改めて問い合わせている」との回答が来たそうだ。徐教授は「これまで高句麗遺跡発掘などの目的で30回以上も中国に行ったが、最後の2015年にも入国の際に何の問題もなかった」「習近平体制の中国は最近になって対外的な態度が非常に硬直しつつあることを感じた」と述べた。
徐教授の帰国後、発掘チームは中国当局から「学閥や職業を書け」などと圧力を受け、その後も正体不明の車や人間にずっと後を付けられ監視されていたという。また予定していた高句麗遺跡発掘の多くが拒否あるいはキャンセルされ、ホテルではパスポートなどの写真撮影に応じてやっと部屋の鍵が渡されたそうだ。
東北工程とは中国当局が2002年に始めた歴史歪曲(わいきょく)作業で、高句麗の歴史など韓国の古代史を中国史に取り込もうとしている。徐教授は「高句麗の本来の名称コグリ」「東北工程白書」などの著書で東北工程を批判してきた。
徐教授は「中国が韓国の専門家やジャーナリストによる高句麗遺跡訪問を阻止する理由は、高句麗と渤海の歴史を中国史の一部と主張する東北工程の歪曲を知られたくないからだ」と批判している。例えば通化博物館では「高句麗はわが国(中国)辺境の民族政権」などと歪曲された内容を主張しているという。
兪碩在(ユ・ソクチェ)記者