48歳男。「憧れの飲食店で働いてみたい」との思いからタイミーを始め、高速道路SAのレストランでタイミーデビュー。さまざまな現場で洗い場に入り、飲食店のバックヤードを担当する責任と楽しさ、そして飲食店ごとにある特色を感じる。(これまでが前回)
【画像を見る】海外からの観光客で人気の京都の風景はこんな感じ
タイミーからの飲食業体験記「その男、タイミーにつき」第4回目。
■京都の観光地のど真ん中で働いてみたい
関西に住む私は、京都や大阪の案件にエントリーすることが多い。都市部には多種多様な案件があり、自分の興味や好みと合いそうな案件に出会えるからだ。
今回のタイミーでは外国人に人気のお店に入ってみようと思い、清水寺の近くにある定食屋へとエントリーした。
世界的な人気観光地、清水寺。もはや近づくだけでも大変な予感がするが、果たしてどのようなタイミーになるだろうか。
清水寺へ行くには、京都駅から市バスに乗るのが最も手軽な手段である。
時間に余裕をもって京都駅のバスターミナルに着いたが、その光景に愕然とした。清水寺に向かうバスの乗り場には、外国人観光客による長蛇の列。それも50メートル、いやそれ以上あろうかという長さだ。これはまずいな……と思いながら列に並んだ。
バスは定刻通りに来たが、全員が乗ることはできずに発車した。次のバスは10分後、次なら必ず乗れるとは限らない。
このままだと遅刻間違いなし。遅刻によるペナルティポイントを避けたい私はバスの列を抜け出し、「清水寺の参道まで」とタクシーに飛び乗った。
渋滞する京都の道を進み、清水寺に向かうタクシー。どんどん上がる料金メーターと私の血圧。おそらく本日のタイミーで得られる報酬の大半はこのタクシー代に消えるだろう。本末転倒もいいところだ。
歩行者と車とで大混雑する参道入り口でタクシーを降り、外国人たちをすりぬけるように参道を駆け上がり、店舗に着いたのは業務開始3分前。息を切らしながら、いつもの呪文を唱えた。
「タイミーから来ました」
■洗い場の曲芸師に出会った
店内は満席。昼時ということで、慌ただしい様子の厨房からコックコート姿の女性店員さんが来てくれた。チェックインをして、物置きでユニフォームに着替える。
この案件は「経験者歓迎」という記載があったので、ある程度飲食仕事の経験がある人向けという感じだろうか。着替え終わり、ほとんど説明もないまま厨房へと入った。