阪神大震災の倒産危機、長嶋茂雄さんが救ってくれた 巨人の「定宿」


【写真】遠征先でも逸話残した長嶋茂雄さん

 福本吉宗社長(56)は3日午後、取材に応じ、「日本の宝を失ってしまったさみしさは言葉にしがたい。今でもふらっと正面玄関から入ってくるのではないかと思うほど、実感がわかない」と別れを惜しんだ。

 長嶋茂雄さんとの思い出は幼少期にさかのぼる。福本社長は小学生のころまで、病弱で入退院を繰り返していたという。

 監督としてホテルに泊まりに来るたび、「僕、体大丈夫か。がんばれよ」と、声をかけられた。最後に会った2022年には「元気になったな」。健康を気遣ってくれる姿が心に残った。

 ホテルの窮地を救ったのも長嶋さんだった。

 1995年1月17日。ホテル竹園芦屋は阪神・淡路大震災で半壊し、倒産の可能性も出ていた。そんな際、長嶋さんから電話をもらった。「竹園に巨人軍が泊まらない年はない。9月の最終戦に間に合わせなさい」

 急ピッチで工事を進め、9月1日に再オープン。月末の最終戦、玄関から入ってきた長嶋さんに「よくやったな」と言葉をかけられたという。

 「いつ復興できるかわからない、暗い雰囲気の中で光をさしていただいた。いま竹園があるのは、長嶋さんの言葉のおかげです」(原晟也)

朝日新聞社



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