JR東日本は10日、新たな夜行特急列車を2027年春に導入すると発表した。運行エリアは首都圏から東北地方で、観光シーズンなどには昼間走行する可能性もあるという。
車両はJR常磐線特急「ひたち」などで使うE657系特急型車両(10両)1編成を改造する。全席を個室タイプのグリーン車指定席とし、定員は120人程度を見込む。
個室は1人用、2人用、4人用をそれぞれ用意する。車いす対応の個室(2部屋)やオープンスペースのラウンジもつくる。かつてJR東海道線などを走った寝台列車「ブルートレイン」をイメージした青色や紺色を基調としたデザインを特徴とするが、ベッドは設置せずに座席のフラット化などで対応する。
首都圏を夜出発し、東北地方に翌朝到着する運行などを検討しているという。料金や運行ダイヤなどの詳細は今後発表する予定。
JR東日本の喜勢陽一社長は10日の記者会見で「夜間の長距離移動というよりも、新しい夜の旅の楽しさを提案したい」と期待を込めた。
JR東日本の寝台特急は「カシオペア」がツアー用の臨時列車として運行しているが、車両の老朽化を理由に今年6月で運行を終了する。【杉山雄飛】