【ワシントン時事】米政権がイスラエルによるイラン攻撃への参加を検討する中、「MAGA(マガ)」と呼ばれる熱狂的なトランプ大統領支持層が反対の声を上げている。
MAGAは孤立主義的な外交観を持ち、海外での軍事的関与より国内への資源分配を優先するよう求めるグループ。中東政策のかじ取りが、岩盤支持層を揺るがすリスクを浮き彫りにしている。
保守系のFOXテレビ元司会者でトランプ氏と親しいタッカー・カールソン氏は16日、イスラエルとイランの紛争に巻き込まれれば「米帝国だけでなく、トランプの大統領任期も事実上の終わりを迎える」とポッドキャスト番組で警告。「米国第一」運動への裏切りだと非難した。
下院共和党「トランプ派」筆頭格のグリーン議員も17日、「国民が求めるのは安価なガソリンや食品だ。再び海外で戦争することではない」とSNSに投稿。インフレ対策など国内経済に、まず目を向けるべきだと主張した。
トランプ氏は米誌で「米国第一が何を指すかは私が決めることだ」とカールソン氏に反論した。だが、イラン攻撃参加への反対論は収まる様子がない。
一方、共和党タカ派のグラム上院議員は、イランに「無条件降伏」を求めたトランプ氏を支持。保守系司会者マーク・レビン氏も「これこそ力による平和、米国第一だ」と賛同した。中東政策を巡る党内の意見対立も顕在化している。