正恩氏の叔父、金平一氏が帰国、31年流浪の元後継者候補

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 【ソウル=桜井紀雄】韓国の情報機関、国家情報院は1日までに、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の叔父で駐チェコ大使だった金平一氏(ピョンイル)(65)が最近、北朝鮮に帰国したと国会で報告した。国会情報委員会に出席した議員らが明らかにした。平一氏は、正恩氏の父、金正日(ジョンイル)総書記との権力争いに敗れ、30年間以上海外を転々としてきた。

 平一氏は、正日氏の異母弟だが、北朝鮮を建国した父親の金日成(イルソン)主席と風貌も似て一時、後継者の有力候補と目されていた。だが、正日氏との後継者レースに敗れ、1988年に駐ハンガリー大使に赴任したのを皮切りに、欧州の複数の大使を務め、国内の要職に返り咲くことはなかった。

 2017年2月に正恩氏の異母兄、金正男(ジョンナム)氏がマレーシアで殺害される事件の前には、欧州の脱北者団体が平一氏を亡命政府の首班に担ぎ上げようとする動きがあったが、平一氏は一貫して正恩氏に恭順の意を示してきたとされる。

 正恩政権が、平一氏が海外にいても「血統」を利用しようとする勢力が現れるだけで、国内に戻しても、もはや正恩氏の権力基盤に影響を及ぼす恐れはないと判断した可能性がある。

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