7月3日に公示され、20日に投開票が予定されている参院選。今回の選挙では、喫緊の課題である「物価高対策」が主要な争点の一つとして注目されています。野党が主に消費税減税を訴えるのに対し、与党である自民党・公明党は国民一人あたり2万円の現金給付などを提案しており、減税については消極的な姿勢を見せています。
物価高が長期化し、多くの国民が生活の苦しさに直面する中、政治に対する国民の目はかつてなく厳しさを増しています。有権者が今回の参院院選でどのような判断を下すのかが注目される中、本誌はWEBアンケートツール「Freeasy」を使用し、全国の18歳から64歳までの現役世代の男女1000人を対象に、参院選を前に「期待できる政党」「期待できない政党」に関するアンケートを実施しました。本稿では、この調査から見えてきた「期待できない政党」のランキングとその理由を詳しくお伝えします。
参院選投票日、投票箱に票を投じる有権者の手
国民が「期待できない」と感じる政党は?
アンケートの結果、多くの有権者が「期待できない」と感じている政党が明らかになりました。その上位3党と、寄せられた具体的な意見を見ていきましょう。
第3位:立憲民主党
第3位に選ばれたのは立憲民主党でした。昨秋の衆院選では公示前の議席数から大きく増やし、今年6月の東京都議選でも都議会野党第一党となるなど、勢いをつけたいところです。参院選に向けて「期間限定で食料品の消費税ゼロ」といった政策を掲げています。しかし、2009年に政権交代を実現したものの、わずか3年余りで政権を失った旧民主党政権時代への否定的な記憶が、いまだに多くの有権者に残っているようです。
寄せられたコメントには以下のようなものがありました。
- 「いぜんの民主党が政権をとったときの二の舞を避けたいから」(60代女性)
- 「批判ばかりで実行力や未来を見通す力がないから」(50代男性)
- 「与党の批判ばかりしていて、政策立案能力も足りないと思うから」(40代男性)
- 「政権交代と言う言葉にダマされた記憶は、忘れません」(60代男性)
第2位:NHK党
第2位は政治団体であるNHK党です。参院選では「言論の自由と公平な報道を守るための改革」「現役世代の手取りを減らす社会保険料・消費税・ガソリン税などの見直し」「現実に即した国家の安全保障体制の構築」などを公約に掲げ、多数の候補者を擁立しています。代表の立花孝志氏は兵庫選挙区からの立候補を予定しています。昨年の兵庫県知事選での異例の選挙戦術や、告発文書問題を巡るSNSでの情報発信などが物議を醸しており、これらの行動が有権者の不信感につながっているようです。
具体的な意見としては、
- 「何がしたい政党なのかサッパリわからない」(60代男性)
- 「行政の抜けめを見つける天才ではあるが社会をダメにしている」(50代女性)
- 「政策理念がよくわからない。選挙活動も理解できない」(60代男性)
- 「結果を出していないから」(50代男性)
などが挙がりました。
第1位:自民党
そして「期待できない政党」の第1位となったのは、現在の与党である自民党でした。125議席を争う今回の参院選では、自民・公明両党で過半数維持を目指していますが、昨秋の衆院選での裏金問題などによる逆風や、今年6月の都議選での過去最低議席など、近年失速傾向が見られます。
物価高対策に関しては、多くの野党が主張する「減税」には依然として後ろ向きな姿勢を崩していません。また、米の価格高騰が国民生活を圧迫する中で、江藤拓前農林水産大臣が「米は買ったことがない。支援者の方々がたくさん米をくださる。売るほどある」と発言し、大きな批判を浴びるなど、党内からの不適切な発言も目立ちます。後任の小泉進次郎農林水産大臣主導による政府備蓄米放出策は一定の評価を得ており、米価格のわずかな値下げにつながっているものの、抜本的な価格高騰対策となるかは不透明な状況です。さらに、多くの国民の政治不信を招いた裏金問題の全容解明や責任追及がいまだ不十分であることも、不信感の大きな要因となっています。
有権者からは以下のような厳しい意見が寄せられました。
- 「有効な政策も考えられない上に、不用意な発言や不祥事ばかり起こしてもなお与党という事にあぐらをかいてまともな政治ができていない」(50代男性)
- 「物価高対策や裏金問題など国民の期待に応えてきていないと思います」(50代女性)
- 「裏金問題がまだまだ解決していない。この以上自民党に任せて置けない」(50代男性)
- 「頑なに消費税減税しようとしない政党をのさばらせておくことは断じてできない。低所得世帯がどんなに大変であるか自民党の浮世離れした政治家にはわからないのだろう」(60代男性)
まとめ:有権者の声と今後の選挙戦
今回のアンケート結果からは、物価高への対応や政治資金問題などを背景に、多くの国民が既存政党、特に現与党に対して厳しい目を向けている現状が浮き彫りになりました。各政党は、これらの国民の声を受け止め、有権者の期待に応えうる真摯な政策論争と選挙戦を展開することが求められています。参院選の投開票日まで、各党の動向と国民の審判から目が離せません。