台湾 保険金詐欺、ドライアイスで凍傷させ両足切断 男2人に有罪判決

台湾高等法院は6月20日、自らの足にドライアイスで重度の凍傷を負わせ、保険金を騙し取ろうとした男2人に対し、詐欺罪などで有罪判決を下しました。驚くべき手口でしたが計画は失敗し、男は結局、両足を切断する事態となりました。

香港の英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストなどによると、2023年1月、当時大学生だったチャン被告は中学校時代の同級生であるリャオ被告と共謀し、保険金詐欺を企てました。多量のドライアイスを購入した二人は、台北市内にあるリャオ被告のアパートへ持ち込み、プラスチックケースにドライアイスを入れました。チャン被告はその中に両足を突っ込みました。リャオ被告はチャン被告が苦痛から逃げ出さないよう、プラスチックのベルトで椅子に固定。午前2時から正午までの約10時間にわたり、両足はドライアイスによって冷却され続けました。

チャン被告は2日後に病院を受診しましたが、診断は重度の凍傷でした。その結果、両足ともふくらはぎから下を切断するという過酷な処置を受けることになりました。チャン被告は事件前に5つの保険会社と生命保険、健康保険、傷害保険、介護保険など8種類もの保険契約を結んでおり、総額4126万台湾元(日本円で約2億600万円)もの保険金を申請していました。

しかし、保険会社側は「夜遅くバイクを運転していて凍傷になった」というチャン被告の申告内容に強い疑問を抱きました。不審に思った保険会社は保険金を支払わず、警察に通報しました。捜査の結果、この計画的な詐欺未遂が明らかになったのです。台湾高等法院は、チャン被告に懲役2年(執行猶予2年)の有罪判決を、より首謀者と見られるリャオ被告には懲役6年の有罪判決を下しました。

台湾高等法院の建物。ドライアイス凍傷による保険金詐欺事件の判決が出された。台湾高等法院の建物。ドライアイス凍傷による保険金詐欺事件の判決が出された。

台湾のSNS上では、この事件に対する失笑や厳しい意見が多く見られました。「金も足も失ったのか。ばかげた考えのせいで残りの人生を車椅子で過ごすことになるなんて」といったコメントが広まっているといいます。無謀な計画の結末に、多くの人が呆れている様子です。

金銭目的の無謀な計画が、自らの身体の自由と未来を奪う結果を招きました。今回の事件は、安易な犯罪の発想がもたらす悲劇的な結末を示す痛ましい事例として記憶されるでしょう。

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