TBSの定例社長会見が2日、東京・赤坂の同局で行われ、TBSラジオの林慎太郎社長が、先月15日放送の「爆笑問題の日曜サンデー」にゲスト出演した歌手・田原俊彦氏の不適切言動について説明した。
林社長は、今回の事案を公表した理由について「1つ1つの言葉や行為を個別に判断したのではなく、総合的に不適切だった」と述べた。ゲストには放送前にも注意喚起を行い、放送中も番組パーソナリティーが注意を促していたという。特に、女性アナウンサーの手に触れたとされる場面は、スタッフからは直接見えていなかったが、放送後の聞き取り調査でテーブル越しに指に触れたことが確認された。この問題は、リスナーからの苦情が直接の発端ではなかったことも明かされた。
当初の発表で田原氏の名前を出さず「男性ゲスト」としたのは、田原氏個人だけでなく、局全体の責任として重く受け止め、田原氏の名前が必要以上に広がらないように配慮したためとしている。林社長は「安心して番組に出演していただけるよう、TBSの人権方針にのっとってやっていきたい」と語り、今後、田原氏がTBSラジオに出演するかどうかも、この人権方針に基づいて判断していく方針を示した。
騒動となった不適切言動の内容と経緯
問題となったのは、生放送番組中に田原氏が行ったセクハラとも受け取れる発言や、同局の山本恵里伽アナウンサーの手に触れるなどの行為。これに対し、TBSは先月20日に「不適切なものであったと判断」し、ゲストのマネジメント担当者に対して再発防止を申し入れ、先方から謝罪の言葉があったことを公表した。
田原氏の謝罪と反省の弁
田原氏自身も、同22日に自身のイベントを前に報道陣に対し「お騒がせしてすみませんでした」と謝罪した。その場で田原氏は「僕としたら通常運転っていうか、ちょっと調子に乗りすぎた」と振り返り、「令和バージョンにアップデートして、発言・行動等は気をつけていきたい」と反省の弁を述べていた。
TBS定例社長会見での林慎太郎社長
まとめ
今回のTBSラジオでの田原俊彦氏の不適切言動問題について、TBSの林慎太郎社長は会見で「総合的に不適切」との判断に至った経緯や、氏名を公表しなかった理由を説明した。今後は局の人権方針に基づき対応する姿勢を示しており、田原氏の今後の出演については未定とされた。田原氏本人もすでに謝罪し、言動に注意していく考えを示している。