韓国ドラマ「人間ドラマ」の真髄を探る:愛憎劇から詐欺、高慢まで描く5選

韓国ドラマの魅力は、登場人物一人ひとりの「人間」と彼らの織りなす「関係性」を徹底的に、時には執拗なまでに深く掘り下げて描く点にあります。この点で、ほとんど全ての韓国ドラマは「人間ドラマ」と呼ぶにふさわしいと言えるでしょう。この記事では、数ある作品の中から、特に強烈なテーマを持ち、人間の本質に迫る傑作「人間ドラマ」5作品にスポットを当ててご紹介します。(一部ネタバレを含みますのでご注意ください)

テーマ別に選ぶ、心を揺さぶる韓国ドラマ「人間ドラマ」

韓国ドラマが描く人間模様は多岐にわたります。ここでは、「ドロドロ」「高慢」「詐欺」というキーワードを軸に、その深遠な世界へと誘う5作品を厳選しました。

ドロドロな愛憎劇:『夫婦の世界』(2020年)

幸福の絶頂にいた家庭医学専門医チ・ソヌ(キム・ヒエ)の人生は、夫イ・テオ(パク・ヘジュン)の不倫によって一変します。相手は若いピラティスインストラクター、ヨ・ダギョン(ハン・ソヒ)。この3人が中心となり、想像を絶するようなドロドロの愛憎劇が展開されます。夫への裏切りを決して許せないソヌは、女性としての意地をかけて財産を分与せず離婚を選びますが、物語はそこで終わりません。映画製作で成功した夫が、愛人と生まれた子供と共に故郷に戻ってきたことから、常識を逸脱した出来事が次々と発生し、物語はさらに過激さを増していきます。人間の欲望、裏切り、復讐心が複雑に絡み合い、観る者を引きつけて離さない強烈な作品です。

上流階級の「高慢」と悲劇:『SKYキャッスル〜上流階級の妻たち〜』(2018〜2019年)

超高級住宅街「SKYキャッスル」に住むセレブたちが主な登場人物です。彼女たちの最大の関心事は、自分の子供を国内最難関の大学、特にソウル大学医学部に入学させること。主人公のハン・ソジン(ヨム・ジョンア)もその一人で、夫カン・ジュンサン(チョン・ジュノ)と共に、娘を過酷な受験競争へと駆り立てます。頼りにしたのは、息子をソウル大学医学部に合格させたイ・ミョンジュ(キム・ジョンナン)でした。ミョンジュの指示通りに進めようとした矢先、彼女が不可解な自殺を遂げます。これを契機に、セレブたちの内面に秘められていた「高慢」な本性が露わになっていきます。「裕福であることだけでは決して幸せにはなれない」という痛烈な現実が、次々と明らかになる社会派人間ドラマです。

家族再会に仕掛けられた「詐欺」:『カーテンコール』(2022年)

朝鮮戦争の混乱で夫と子供と生き別れ、一人韓国でホテル「楽園」を築き上げた会長チャ・グムスン(コ・ドゥシム)。余命3カ月と宣告された彼女の最後の願いは、北朝鮮にいるはずの孫リ・ムンソンに会うことでした。室長のチョン・サンチョル(ソン・ドンイル)は、本物の孫が見つからなかったため、売れない俳優ユ・ジェホン(カン・ハヌル)に「詐欺」を依頼し、孫の代役を演じさせます。念願叶ったグムスンは心から喜びますが、予想もしない展開が待ち受けていました。詐欺から始まる偽りの家族関係が、それぞれの登場人物の人生をどう変えていくのかが見どころです。カン・ハヌルの他、ハ・ジウォン、クォン・サンウといった豪華キャストが集結した話題作です。

結論

今回ご紹介した3作品は、それぞれ異なる切り口から人間の情念、社会の歪み、そして家族の形を描き出しています。愛憎、欲望、高慢、そして偽り。これらの普遍的なテーマを、韓国ドラマならではの徹底的なキャラクター描写と緻密なストーリーテリングで描き出すことで、観る者は登場人物の感情に深く共感し、あるいは反発しながら、人間という存在の複雑さや奥深さを改めて感じることになるでしょう。これらの作品を通じて、韓国ドラマが単なるエンターテイメントに留まらない、「人間ドラマ」としての確固たる地位を築いている理由が理解できるはずです。

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