「結婚はしない」が「結婚したい」に変わる30代女子のリアル――「10年後、20年後も1人」「このまま年をとっていく」焦りと不安のなかで


【グラフでわかる】「一生結婚するつもりはない」男女が増えている

■なぜ婚姻率は低下していくのか

 いわゆる“結婚離れ”が目に見えて進み始めたのは、2000年代に入ってからなのだが、この数字の裏には、さまざまな社会的背景や、個人の価値観の変化があるように思う。

 今の20〜30代は、「あなたは、あなたらしく」と言われて育ってきた世代だ。2003年にリリースされ、大ヒットした『世界に一つだけの花』は、まさにその価値観を象徴する一曲だろう。

 しかし、結婚は、“自分らしさ”だけでは成り立たない。夫婦関係というのは、お互いの考え方や生き方に歩み寄り、ときにはゆずり合い、受け入れ合いながら、ともに形を作り上げていく営みだ。

 “自分が自分らしくいられる結婚相手”など、本来は存在しえない幻想なのだが、いくらでも出会えるので、それを追い求めて出会いを繰り返していく。そして、結局決められない“婚活迷子”に陥っている。

 さらに、経済的な不安定さも、若者たちの結婚にブレーキをかけている要因だろう。

 深刻な人手不足に直面しているにもかかわらず、多くの企業が“安くて使い勝手のいい”非正規雇用の労働力に依存している。その結果、非正規雇用者は、将来の生活設計が立てにくく、“婚活して結婚する”という舞台には上がってこない。



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