「どうしてこんなに臭いのか」――飛行機に搭乗したある乗客が、機内に広がる不快な悪臭に困惑していたところ、その発生源が自身の座席の真下にあることを突き止める瞬間を捉えた動画が、ソーシャルメディア上で大きな話題を呼んでいる。この映像は隣の席の友人によって撮影され、TikTokに投稿されると瞬く間に拡散した。
オーストリアのウィーン在住のイタリア人、フランチェスコ・トルー氏(@trueee_francesco)が自身のTikTokアカウントに投稿したこの動画は、「親の顔が見たい」というキャプションが添えられている。動画では、トルー氏が飛行機の座席に座り、右手で口と鼻を覆いながら悪臭に耐えている様子が映し出されている。通路を挟んだ席から撮影されており、当初、二人は悪臭の原因が分からず、「機内がどうしてこんなに臭いのか不思議に思っていた…」という文字が画面に表示される。
しかし、動画は匂いの原因を特定するべく、トルー氏の座席下のエリアをズームアップする。ここで衝撃的な事実が明らかになる。座席の下から見えていたのは、裸足の足だったのだ。どうやら、トルー氏の後ろの座席に座っていた乗客が、フライト中ずっと靴と靴下を全て脱いで裸足で過ごしていたことが、悪臭の原因だったと推測される。この動画はこれまでに430万回以上再生され、多くのコメントが寄せられている。
この行為が直接悪臭の原因であると断定する材料は他にないものの、公共の乗り物である機内で靴と靴下を脱いで裸足になることは、一般的にマナー違反と見なされている。旅行情報サイトのカヤックが2023年に実施した「空の旅における暗黙のルール」に関する調査では、回答者の76%が「機内で裸足になるのは良くない」と感じているという結果が出ており、多くの人が不快に思っていることがわかる。靴を脱ぐこと自体についても意見は分かれるが、アメリカ人回答者の56%が「機内では靴を履いたままでいるべき」と回答しており、「靴を脱いでも構わない」と答えた44%を上回った。
飛行機内で前の座席に足を乗せる乗客のイメージ画像。機内マナーに関する問題提起。
動画のコメント欄には、同様の不快な経験を語る声が多く寄せられた。あるユーザーは「数週間前に電車に乗った時、エアコンからものすごく臭いチーズのような匂いがした。席に着いたら、隣に靴を脱いでいる男性がいて、目が合った。本当にそんな匂いだったんだ」と書き込んだ。別のユーザーも、「この前、図書館で読書中、近くに座った男性が靴を脱いだ瞬間、まるで悪臭の原子爆弾が爆発したようで、涙が出て息もできなかった」と、その強烈な匂いを描写した。
航空安全の専門家であるクリスティン・ネグローニ氏は、旅行専門サイト「Afar」のインタビューで、すべてのフライトにおいて、離陸前の安全に関する機内アナウンスで、乗客に対し機内では靴を履いたままでいるように指導すべきだと提言している。これは緊急時の避難の際だけでなく、こうしたマナーや快適性に関する問題にも繋がる重要な指摘と言えるだろう。今回の動画は、機内における足元のマナーについて改めて考えさせられる事例として、広く注目を集めている。
参考文献
- Newsweek Japan 掲載記事: <飛行機に乗り込んだある乗客が、機内に漂う「耐え難い悪臭」の原因が自分の座席の真下にあったことを突き止めた瞬間を撮影した動画がネットで話題に> (Yahoo!ニュースより)