トランプ米大統領は4日、減税や不法移民対策の強化といった看板政策を盛り込んだ減税・歳出法案に署名し、同法は成立した。独立記念日だった4日、トランプ氏はホワイトハウスで演説し、「米経済はロケットのように急成長するだろう」などと誇った。トランプ氏は大統領2期目の公約実現へ弾みをつけた形だが、議会予算局は今後10年間で財政赤字が3兆4千億ドル(約490兆円)増えると試算している。
【写真】トランプ氏、関税率の書簡12カ国分に「署名した」 「膨大な金入ってくる」
同法は、大統領1期目の2017年に導入され、今年末に期限を迎える所得税減税を恒久化する。飲食店従業員らが受け取るチップや勤労者の残業手当は28年末まで課税免除とする。国境警備の強化や、次世代ミサイル防衛構想「ゴールデンドーム」に関する支出も盛り込んだ。
他方、低所得者向け公的医療保険「メディケイド」は受給要件を厳しくして歳出を削減。電気自動車(EV)購入の税制優遇措置を廃止し、バイデン前政権が進めた脱炭素政策を転換する。
同法を巡っては、野党の民主党だけでなく与党の共和党からも財政赤字拡大などを懸念して批判が上がり、上下両院での審議が紛糾した。トランプ氏は4日までに成立させるとして議会に圧力をかけ、法案は3日に僅差で下院を通過していた。(ワシントン支局)