モンゴル晩さん会で「浜辺の歌」 天皇陛下のビオラと馬頭琴が共演


【写真まとめ】晩さん会に出席された両陛下

 会場は、若者が多く経済成長が著しい国らしい勢いと、遊牧騎馬民族の伝統が融合した雰囲気。

 天皇陛下のビオラ演奏と馬頭琴の共演は、両国の良好な友好関係を象徴していた。

 晩さん会は、政府要人や両国にゆかりのある人ら約120人が招かれ、円テーブルに分かれて着席。民族衣装を着た人もおり、元横綱・白鵬の白鵬翔さんや日馬富士のダワーニャム・ビャンバドルジさんの姿もあった。

 儀仗(ぎじょう)隊による両国の国歌演奏で幕開け。

 大統領と天皇陛下が両国の友好の深まりを願ってそれぞれあいさつした。

 国立馬頭琴交響楽団が民族舞踊を披露すると、陛下が日本から持参したビオラを手に楽団のいる壇上へ。馬頭琴交響楽団とビオラで共演した。

 演奏したのは、楽団の定番曲「モンゴルのメロディー」と日本の童謡「浜辺の歌」の2曲。

 背後の大型ビジョンには、モンゴルの大草原を駆ける馬、雄大な自然、日本の富士山など曲にあわせて映像が映し出され、没入感があった。

 着物で晩さん会に臨んだ皇后雅子さまも聴き入っていた。

 約2時間の晩さん会は、食事を楽しみつつ、歌や曲芸のパフォーマンスの披露が続いたという。

 日本の皇室や欧州王室が開く厳かな雰囲気とは異なる、モンゴル流の晩さん会だった。

 開始直前まで、招待者同士が名刺交換をして交流したり、スマートフォンで記念撮影をしたりする自由さもあった。

 宮内庁幹部によると、陛下は「心があたたまり、アーティストやアスリートの質の高いパフォーマンスを見ることができて大変よかった」と感じ、雅子さまは「パフォーマンスを通じてモンゴルの人の豊かな芸術性や誇りを感じた」と感銘を受けていたという。

 陛下がなぜ「浜辺の歌」を弾いたのか、モンゴル側主催行事での内容であるため、宮内庁の説明はない。

 ただ、この曲には、シベリア抑留者たちが故郷を思って歌い、心を癒やした曲だというエピソードがある。【ウランバートル山田奈緒】



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