フランス領ニューカレドニアの地位を巡り、長年続く独立問題を背景とした独立派らの暴動が発生した後、仏政府と各勢力はパリ郊外での協議を経て合意に達した。フランスのマクロン大統領は12日、仏国内に「ニューカレドニア国」を創設することで合意が成立したと明らかにした。
仏領ニューカレドニアで独立派による暴動発生後、焼け焦げた車両が見られる通り
合意の主要内容と今後の手続き
仏メディアが伝えた合意内容によると、ニューカレドニアは直ちに完全独立するのではなく、フランス憲法改正により仏国内の「国家」として認められる枠組みとなる。この合意に基づき、仏政府からニューカレドニアへ一部の権限が移譲されることが盛り込まれており、将来的には他国からの国家承認も想定されているという。住民は新たに「ニューカレドニア国籍」を取得できるようになるが、フランス国籍は放棄せず、二重国籍となる点がこの合意の重要な特徴の一つだ。
今後の手続きとして、フランス議会は今秋にも憲法改正を予定しており、その後にニューカレドニア側で今回の合意内容の承認を問う住民投票が実施される見込みだ。
マクロン大統領の反応と展望
マクロン大統領はこの合意を自身のSNSへの投稿で「歴史的合意」と歓迎する意向を示した。大統領は、対立や分断を超えてニューカレドニアの「共通の未来を築く」ことの重要性を改めて訴えた。今回の合意は、長年にわたりニューカレドニアを揺るがしてきた独立問題を巡る対立に対し、仏政府と現地勢力が歩み寄って見出した新たな解決策となる可能性がある。
マクロン仏大統領がニューカレドニアの地位に関する合意について語る様子
まとめ
フランス領ニューカレドニアの地位について、独立派らの暴動を経て仏政府と現地勢力間で合意が成立した。合意内容は、ニューカレドニアを仏国内の「国家」とし、権限移譲や二重国籍を認めるもの。今後、仏議会での憲法改正と現地での住民投票を経て正式決定される見通し。マクロン大統領はこれを「歴史的合意」として歓迎しており、将来に向けた新たな一歩となるか注目される。