新型日産リーフ、3代目へ進化:先行EVの現在地と日産の未来

日産自動車は、世界初の量産型電気自動車(EV)の一つとして知られる「リーフ」の全く新しい3代目モデルを発表しました。2010年の初代登場から15年の歴史を持つリーフが、今回のフルモデルチェンジでどのような進化を遂げ、経営再建を目指す日産にとって今後どのような役割を果たすのか、その詳細に迫ります。

リーフの歴史と3代目への進化

新型リーフは今秋、まず北米市場で発売され、日本市場には年内登場予定です。初代リーフは2010年に登場し、厳密には三菱i-MiEVが先行しましたが、登録車としては世界初の量産EVとして歴史を刻みました。2017年に2代目へ進化し、今回が3代目となります。日産は、EVとして3世代目を迎えるのは世界初であると強調しており、リーフの先駆者としての歴史の長さを示しています。

2010年に発売された初代日産リーフの姿2010年に発売された初代日産リーフの姿

新型リーフの主要な特徴

北米仕様を基に発表された新型リーフの主な特徴は以下の3点です。(1)内外装デザインの大幅変更、(2)一充電走行距離の延長、(3)先進技術の搭載です。特に、ボディ形状が現行のハッチバックからクロスオーバーへ刷新された点が特徴です。後部へ向かって大きく傾斜するルーフラインはクーペのような印象を与え、より個性的でスペシャリティ感を増しました。全長は現行よりやや短縮、全幅は1.8m弱に拡大。後席や荷室といった実用性も維持されています。

クロスオーバーデザインとなった新型日産リーフのフロント外観クロスオーバーデザインとなった新型日産リーフのフロント外観

デザインに込められた「遊び心」と室内空間

室内空間では、ダッシュボード上に配置された横長の大型ディスプレイ(12.3または14.3インチ)が特徴です。メーターとナビゲーションなどを横に並べて表示します。平らで横に長いダッシュボードの造形は視覚的な広がりを生み出し、日産の軽EV「サクラ」やSUV「アリア」といった最近の日産車に通じるデザイン言語が見られます。さらにデザインの遊び心として、後部のブレーキランプなどが縦2本、横3本で構成されており、「ニッサン(23)」の語呂合わせを表現している点もユニークです。

新型日産リーフは、単なるモデルチェンジに留まらず、その歴史における重要な節目となる進化を遂げました。先駆者としての地位を確立しつつ、内外装の刷新、航続距離の向上、先進技術の導入により、クロスオーバーEVとして新たな魅力を放ちます。この3代目リーフが、日産自動車の再建戦略において、新たな推進力となることが期待されます。

参考資料:
日産自動車プレスリリース
Yahoo!ニュース (記事ソース)
sbbit.jp (詳細画像ソース)
Stefan Ataman / Shutterstock.com (初代リーフ画像ソース)