米ポルノ女優カイリー・ペイジさん、28歳で死去 フェンタニル過剰摂取か – 米国の薬物危機、日本も無関係ではない

米ポルノ女優カイリー・ペイジさんが28歳で死去したことが報じられた。彼女は現地時間6月25日、ロサンゼルス市ハリウッドの自宅で亡くなっているのが発見された。2015年に18歳で業界に入り、Netflixシリーズ『Hot Girls Wanted: Turned』を始めとする200本以上の作品に出演。約40万人のインスタグラムフォロワーを抱える人気女優だった。死因の公式発表は遅れているが、米ニュースサイト「TMZ」は捜査関係者の証言として、フェンタニルを含む薬物の過剰摂取が死因である可能性が高いと報じている。

米国でフェンタニル過剰摂取の疑いで死去したポルノ女優カイリー・ペイジさん(写真提供:インスタグラム)米国でフェンタニル過剰摂取の疑いで死去したポルノ女優カイリー・ペイジさん(写真提供:インスタグラム)

友人からの通報でペイジさんの遺体が発見され、現場に到着した消防局員によってその場で死亡が確認された。室内からはフェンタニルと薬物使用器具が見つかったとされる。さらに、現場の複数の場所から、ペイジさんと様々な男性が写った性的な写真が発見されたという。現地警察は現時点では事件性はないとの見方を示している。

ペイジさんは10代の頃から薬物中毒に苦しんでいた。親族関係者によると、彼女は薬物中毒で叔父2人を亡くしており、その危険性は理解していた。数年前からはリハビリにも取り組み、亡くなる直前には60日以上の断酒を継続していたという。しかし、薬物の魔力に打ち勝つことはできなかったのかもしれない。母親は亡くなる直前の会話について、「明るかったが、少し疲れているようだった」と明かしている。

米国で深刻化するフェンタニル危機、日本への影響も

米国では、フェンタニル中毒者の急増が深刻な社会問題となっている。CDC(アメリカ疾病予防管理センター)の発表によれば、2023年には薬物の過剰摂取による死者が推定11万人を超え、その約7割がフェンタニルによるものだという。

この問題は日本にとっても無関係ではない。6月25日に日本経済新聞が報じたスクープは、米国へのフェンタニル**密輸のために、中国人組織が日本に拠点を設けていた疑いを指摘し、世間に衝撃を与えた。7月7日、ジョージ・グラス駐日米国大使はX(旧Twitter)で、「フェンタニルにより、毎日200人を超える米国人が命を落としている」と日本語と英語で投稿し、不正流入を防ぐための協力体制**強化を日本側に求めている。

繰り返される悲劇:別の人気ポルノ女優もフェンタニルで死去

「アメリカでは依然として、毎日200人近くがフェンタニル過剰摂取で亡くなっていると言われています。ペイジさんの業界でも、昨年に死亡事例がありました」と前出の大手紙国際部情報記者は語る。2024年1月24日(現地時間)、業界のスター女優ジェシー・ジェーンさん(享年43)と恋人の男性が、オクラホマ州ムーアの自宅で亡くなっているのが発見された。半年後の7月7日に調査結果が公表され、死因が「コカインとフェンタニル過剰摂取」であったことが判明した。

ジェーンさんが亡くなる前の最後のインスタグラム投稿には、彼女の冥福を祈るコメントが数多く寄せられた一方で、やりきれない怒りを表すコメントも存在した。「フェンタニルは地球上で最悪の物質だ」という投稿は、この薬物がもたらす悲劇の深さを物語っている。(ジェーンさんのインスタグラムコメント欄より)

カイリー・ペイジさんの突然の死は、米国で拡大し続けるフェンタニル危機の深刻さを改めて浮き彫りにした。薬物中毒に苦しみ、克服しようとしていた彼女のような人気女優が命を落とすという悲劇は、ジェシー・ジェーンさんのケースに続き、この問題の根深さを示している。当局は、このような過剰摂取による死を防ぐため、フェンタニルの不正流通や中毒対策への取り組みを急いでいる。