ロシアでは個人ローンの延滞額が約2兆8200億円に膨らみ、記録的な高水準に達しました。多くの国民が借金返済困難に直面しており、ロシア経済の停滞を示す深刻な兆候として注目されています。
記録的な個人ローン延滞の現状
ロシアの有力紙イズベスチヤは14日、個人ローン延滞額が1兆5000億ルーブル(約2兆8000億円)に上り、統計開始以来6年で最高額と報じました。独立系メディアによると、ロシア人の銀行や消費者金融からの総借入れは約40兆ルーブル(約75兆2000億円)に達します。特に2023年末から2024年初頭にかけて、高金利ローンを組んだ高リスク借り手の延滞が顕著です。
ロシアの個人ローン延滞額の急増を示す経済指標データ画面
消費者金融利用者の急増と高金利負担
景気悪化に伴い、消費者金融利用者は急増し、昨年は過去最多の1480万人を記録しました。店員は「銀行に断られた人々が来る。利息は1日0.8%、月24%にもなる」と証言しており、国民の金融的な苦境が浮き彫りになっています。
高金利で急増するロシアの消費者金融利用者にサービスを提供する店舗スタッフ
政府の景気刺激策と住宅ローン政策の行方
ロシア政府は経済停滞回避のため、低金利の住宅ローンを景気刺激策として推進しました。しかし、地価高騰を招いたため、2024年夏にこの政策は打ち切られています。この個人ローン延滞問題は、今後のロシア経済の安定性と国民生活に大きな影響を与える可能性があり、引き続きその動向が注視されます。
参考資料
- テレビ朝日 (ANN)
- イズベスチヤ (Izvestia)
- 独立系メディア