韓国女子バレー元代表イ・ジェヨン、校内暴力問題乗り越え日本SVリーグで4年ぶり復帰へ

韓国女子バレーボール界を一時離れていた元韓国代表選手イ・ジェヨン(28)が、日本の女子バレーボールSVリーグで4年ぶりにコートに復帰することが明らかになった。過去の「校内暴力」問題により韓国国内での活動が困難となっていた彼女は、新たな挑戦の舞台として日本を選んだ。今回の復帰は、その卓越したスキルと、過去との向き合い方において大きな注目を集めている。

ヴィクトリーナ姫路がイ・ジェヨン獲得を公式発表

SVリーグのヴィクトリーナ姫路は21日、球団のソーシャルメディア(SNS)を通じてイ・ジェヨンの正式加入を発表した。球団は、彼女を「世界トップレベルのパスレシーブ能力を併せ持つアウトサイドヒッター」と高く評価し、その実力を強調した。ヴィクトリーナ姫路は、現在活躍中の日本代表選手が多くプレーするSVリーグの女子1部リーグに所属しており、昨シーズンは14チーム中6位という成績を収めている。チームはイスラエル男子代表やオランダ女子代表の監督を務めた経験を持つアヴィタル・セリンジャー氏が指揮を執る。

獲得経緯と過去の栄光

球団関係者は今年初めに韓国を訪れてイ・ジェヨンの実力を直接確認した後、獲得を決定したという。ブランク期間が長かったこともあり、イ・ジェヨンはSVリーグでプレーする他の外国人選手と比較して、比較的低い年俸で入団に合意したと報じられている。

イ・ジェヨンはかつて、韓国女子バレーボール界の大黒柱として活躍した選手である。2014-15シーズンにはVリーグ新人ドラフト1巡目全体1位で興国生命に入団し、デビューシーズンで新人王に選ばれるなど、華々しいキャリアをスタートさせた。2018-19シーズンには興国生命のエースとしてチームの統合優勝に貢献し、2016-17シーズンと2018-19シーズンにはリーグ最優秀選手(MVP)にも選出された。さらに、2018-19シーズンにはチャンピオン決定戦のMVPも受賞している。

韓国女子バレー元代表イ・ジェヨン、校内暴力問題乗り越え日本SVリーグで4年ぶり復帰へ

韓国興国生命所属時代のイ・ジェヨン選手。日本SVリーグでの復帰が注目されるアウトサイドヒッター。

国際舞台でもその才能を発揮し、2014年の仁川アジア競技大会では韓国代表として女子バレーボールの金メダル獲得に貢献するなど、国民的スターとしての地位を確立していた。

校内暴力問題と長いブランク

しかし、彼女のキャリアは2021年2月、双子の妹イ・ダヨンと共に中学時代の「校内暴力」が暴露されたことで一変した。この問題は韓国社会で大きな波紋を呼び、事実上、イ・ジェヨンは韓国バレーボール界を離れることとなった。

その後、イ・ジェヨンは同年末にギリシャ女子プロバレーボールA1リーグのPAOKテッサロニキに入団したが、慢性的な左ひざの痛みに悩まされ、数試合にしか出場できないままシーズンを早期に終えた。2022-23シーズンを前に、韓国国内の女子バレーボールチームであるペッパー貯蓄銀行を通じてVリーグ復帰を模索したが、激しい批判世論に直面し、実現には至らなかった。

バレーボール界から遠ざかっていたイ・ジェヨンは、昨年7月に自身のSNSに「第2の人生を応援してほしい」と投稿し、引退を匂わせる発言をしていた。だが、今回日本リーグからのラブコールを受け、4年ぶりに再びコートに立つことになった。

日本での新たな挑戦と謝罪の言葉

ヴィクトリーナ姫路を通じて、イ・ジェヨンは「子どもの頃からの日本でプレーしたいという夢が叶った」と喜びを語った。同時に、過去の事件については「深く反省している」と謝罪の意を表明した。彼女は続けて、「バレーボールを続けることができるか心配していた。自分にはバレーボールのほかには何もない」と切実な思いを明かし、「またプレーできるチャンスを与えてくださったチームに感謝している。チームプレーに最善を尽くしたい」と、日本での新たな挑戦と貢献への意欲を示した。

ヴィクトリーナ姫路は、2025-26シーズン初戦を10月10日に大阪マーヴェラスを相手に行う予定だ。イ・ジェヨンが日本の地でどのようなプレーを見せ、チームに貢献していくのか、その動向に注目が集まっている。

結び

韓国女子バレーボールのトップ選手として輝かしい実績を持ちながらも、「校内暴力」問題によりキャリアの中断を余儀なくされたイ・ジェヨン選手。困難な時期を経て、今回、日本のSVリーグでの復帰という新たな道を歩むことになりました。彼女の「深く反省している」という言葉は、過去と真摯に向き合い、バレーボールへの情熱を再燃させている証とも言えるでしょう。日本での新たな挑戦が、彼女にとっての「第2の人生」を切り拓き、バレーボールファンに感動と勇気を与えることを期待します。

参考文献